りゃん のコメント

ひとつまえのを読んでみると、アビガン、アビガンって、アビガン一色だね。最初に断っておくが、わたしもアビガンははやく誰にでもどこでも使えるようになることを望んでいる。

そのうえで書くが、たしかにアビガンは実際に効果があるかもしれない。しかし、現在のところは、臨床試験で確実に効果があると確定したものではない。

それを、臨床試験をもっともっと急げ、というのなら理解できるが、なにか陰謀説まがいのことまで出てくるようでは、こういうのもパニックの一種なのだろうなと感じる。

もともと厚労省は、アビガンに限らず、新しい薬(検査、治療法等々も含めて)を治療法として認可することに慎重だ。それは国民皆保険をなんとしても維持したいという縛りがあるからだ。

「副作用があっても自己責任」というインフォームドコンセントのもと、「自費で保険の適用なく」アビガン内服を認めるのは、この縛りがなければわりとたやすい。しかしそうすれば、「カネを払える人々だけがアビガンの恩恵に浴するのか」という批判が必ず出てくる。

適応も慎重に見極める必要がある。CTをとり、PCR(あるいは将来それに代わる検査)をおこなったうえで、投与するのならともかく、「できるだけ早期に」のかけ声のもと、むやみに投与するならば、保険財政の問題は別としても、かならずアビガンは(かりにチャイナ肺炎に効果があるとしても)、ウイルスの変異を誘導して、早晩耐性株がでてくる。もっとも、楽観的に考えれば、「アビガンの次」をはやく開発すればいいだけだともいえるが、悲観的に考えれば、アビガン耐性株は、ものすごく厄介かもしれない。

なんにせよ、厚労省でいま寝ないで働いているような人々の中には、むかしわたしの同窓でもあった人々もおり、かれらが日本のために働いていることを、自分は疑ったことはない。

責任ある立場の人々は誰も言わないので無責任なわたしが言うが、こういう疫病で、全員を助けることはできない。それは別に安倍首相や今の政府のせいではない。(ただし、安倍首相の1月下旬の決断しだいでは、大幅に死ぬ人を減らせた可能性はあり、その点の責めを安倍首相はまぬかれない)。

それでも誰かのせいだというのなら、もちろんそれは中国のせいだ。

No.9 55ヶ月前

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