今週も配信ありがとうございます。 関西のローカルニュースを見ていると、特に京都の観光公害の深刻さが伝わってきます。 これはグローバリズムというイデオロギーの蔓延だけではなく、政府の方針であるインバウンド収入依存も原因ではないかと思います。 デフレ脱却がいまだ成されず、少子化ということも相まって、国内の需要は完全に頭打ち状態。 ならば外国人観光客を当てにしよう、という短絡的思考。 外国人観光客ならば、免税店や免税カウンターのサービスを受けられるから、消費税増税は無関係だし。 端からそういう方針だったから、「どうぞ来て下さい(ヘコヘコ)」という媚びへつらうスタンスになってしまったのかもしれません。 写真撮影とか神社仏閣への自転車進入とか、最初から毅然とした態度で規制していればここまでの事態には発展しなかったのではないでしょうか。 そうは言っても、「郷に入っては郷に従え」という精神と無縁の外国人は多いのでは? と感じる方もおられるでしょう。 ところが、そうでもないです。 数年前まで警備員の仕事をしており、現在は娯楽施設にてサービス業に従事している者としましては、直に外国人観光客と接する機会が非常に多いのですが、「やってはいけないこと」をきちんと伝えれば理解されるケースがほとんどです。 そもそも、多くの外国人観光客は、こちらに話しかける時に「すいません」、何か案内をした後に「ありがとうございます」という基本的な日本語を使います。 中国人はトイレの使い方が汚い、と評判ですが、私が務める施設ではトイレに中国語を含む「使用案内」を貼り付けるようになってから、極端に汚れているという状況は激減しました。 「伝えれば理解される」というよりも、「言ってやらないと分からない」というケースは多々あるのだろうと思います。 それこそ「国民性」の違いが存在するのですから。 だから、京都のケースにおいても、もっと早い段階で行政を中心に何らかの対策を打っておくべきだったろうと思います。 現在の京都のカオス状態は、さながらかつて問題となった「学級崩壊」を彷彿とさせます。 真っ当な規則で秩序を維持することよりも、「子供の自主性」を重んじたがために、教室内が何をやっても良いような空間へと堕落した状態。 行政の対策が遅れたのは、外国人観光客の気分を害してはいけない、リポーターになってもらいたい、といったような媚び媚びの姿勢が優先されてしまったからではないでしょうか。 そこにグローバリズムというイデオロギーが加わって、「ひとまず現状維持」「現場で個別対応」みたいなかたちで放任してしまったのでしょうね。 以前にもこちらのコメント欄で述べたことですが、兵庫県の城崎温泉は昔と何ら変わらない秩序を保ちながら、外国人観光客に大人気の観光地となっているそうです。 というのも、何と城崎には外国語の案内表示板が一切存在しないのです。 宿泊施設の従業員はさすがにある程度の英語は使うと思うのですが、外国語の案内表示が排されているのは「風情を保つため」なのだそうです。 おかげで昔ながらの景観が保たれており、それがかえって外国人観光客に人気なのだとか(それほど広い地域ではないから、分からない事はスマホで調べられるのでしょうけど)。 つまり、毅然とした態度で、グローバリズムではなくインターナショナリズムの精神で固有の文化や秩序を保つことは、何の支障もきたさないということなのですよね。 本来ならば、真っ先に京都がこれをやるべきでした。 京都は城崎を見習え! 単に「保守的」なだけで、媚び媚びのグローバリズムに堕落した罪は大きい! 他府県人を見下すだけしか能が無いのではないか? 外国人にチヤホヤされるのがそんなに嬉しいのか? 京都に生まれたというだけで優越感に浸る京都人は、国粋主義のエセ保守と同じではないか? ……すいません、ちょっと逸脱しました。 ただ、根本には国の「インバウンド政策」というものが存在し、早い段階で現場が危機感を抱いていたとしても、国の方針に抗うことが難しかったという状況はあったのだろうと想像することはできます。 今からでも遅くはないので、秩序回復に努めてほしいと思います。 舞妓さん志望者がいなくなってしまうとか、数百年続く老舗が店をたたまざるを得ない状況に陥るといった状況にまで発展する前に。 大阪人としては、現在の京都には何の魅力も感じず、行ってみたいとも思いません(奈良の方が好きになってきた)。 守るべきものと時代に応じて変えていくものを、バランス良く見極めてきた「保守」の立場に立ち帰ってほしいと切に願います。 大阪の「庶民の娯楽文化」が引き立つのも、京都が「保守」であるからこそ、なので。
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今週も配信ありがとうございます。
関西のローカルニュースを見ていると、特に京都の観光公害の深刻さが伝わってきます。
これはグローバリズムというイデオロギーの蔓延だけではなく、政府の方針であるインバウンド収入依存も原因ではないかと思います。
デフレ脱却がいまだ成されず、少子化ということも相まって、国内の需要は完全に頭打ち状態。
ならば外国人観光客を当てにしよう、という短絡的思考。
外国人観光客ならば、免税店や免税カウンターのサービスを受けられるから、消費税増税は無関係だし。
端からそういう方針だったから、「どうぞ来て下さい(ヘコヘコ)」という媚びへつらうスタンスになってしまったのかもしれません。
写真撮影とか神社仏閣への自転車進入とか、最初から毅然とした態度で規制していればここまでの事態には発展しなかったのではないでしょうか。
そうは言っても、「郷に入っては郷に従え」という精神と無縁の外国人は多いのでは? と感じる方もおられるでしょう。
ところが、そうでもないです。
数年前まで警備員の仕事をしており、現在は娯楽施設にてサービス業に従事している者としましては、直に外国人観光客と接する機会が非常に多いのですが、「やってはいけないこと」をきちんと伝えれば理解されるケースがほとんどです。
そもそも、多くの外国人観光客は、こちらに話しかける時に「すいません」、何か案内をした後に「ありがとうございます」という基本的な日本語を使います。
中国人はトイレの使い方が汚い、と評判ですが、私が務める施設ではトイレに中国語を含む「使用案内」を貼り付けるようになってから、極端に汚れているという状況は激減しました。
「伝えれば理解される」というよりも、「言ってやらないと分からない」というケースは多々あるのだろうと思います。
それこそ「国民性」の違いが存在するのですから。
だから、京都のケースにおいても、もっと早い段階で行政を中心に何らかの対策を打っておくべきだったろうと思います。
現在の京都のカオス状態は、さながらかつて問題となった「学級崩壊」を彷彿とさせます。
真っ当な規則で秩序を維持することよりも、「子供の自主性」を重んじたがために、教室内が何をやっても良いような空間へと堕落した状態。
行政の対策が遅れたのは、外国人観光客の気分を害してはいけない、リポーターになってもらいたい、といったような媚び媚びの姿勢が優先されてしまったからではないでしょうか。
そこにグローバリズムというイデオロギーが加わって、「ひとまず現状維持」「現場で個別対応」みたいなかたちで放任してしまったのでしょうね。
以前にもこちらのコメント欄で述べたことですが、兵庫県の城崎温泉は昔と何ら変わらない秩序を保ちながら、外国人観光客に大人気の観光地となっているそうです。
というのも、何と城崎には外国語の案内表示板が一切存在しないのです。
宿泊施設の従業員はさすがにある程度の英語は使うと思うのですが、外国語の案内表示が排されているのは「風情を保つため」なのだそうです。
おかげで昔ながらの景観が保たれており、それがかえって外国人観光客に人気なのだとか(それほど広い地域ではないから、分からない事はスマホで調べられるのでしょうけど)。
つまり、毅然とした態度で、グローバリズムではなくインターナショナリズムの精神で固有の文化や秩序を保つことは、何の支障もきたさないということなのですよね。
本来ならば、真っ先に京都がこれをやるべきでした。
京都は城崎を見習え!
単に「保守的」なだけで、媚び媚びのグローバリズムに堕落した罪は大きい!
他府県人を見下すだけしか能が無いのではないか?
外国人にチヤホヤされるのがそんなに嬉しいのか?
京都に生まれたというだけで優越感に浸る京都人は、国粋主義のエセ保守と同じではないか?
……すいません、ちょっと逸脱しました。
ただ、根本には国の「インバウンド政策」というものが存在し、早い段階で現場が危機感を抱いていたとしても、国の方針に抗うことが難しかったという状況はあったのだろうと想像することはできます。
今からでも遅くはないので、秩序回復に努めてほしいと思います。
舞妓さん志望者がいなくなってしまうとか、数百年続く老舗が店をたたまざるを得ない状況に陥るといった状況にまで発展する前に。
大阪人としては、現在の京都には何の魅力も感じず、行ってみたいとも思いません(奈良の方が好きになってきた)。
守るべきものと時代に応じて変えていくものを、バランス良く見極めてきた「保守」の立場に立ち帰ってほしいと切に願います。
大阪の「庶民の娯楽文化」が引き立つのも、京都が「保守」であるからこそ、なので。