トウモロコシ一つをとってみても、米国の飼料・エタノール・輸出の実態を知らなければならない。また、日本の輸入の実態を知る必要がある。 ①米国のトウモロコシは、バイオ需要が大幅に増えている。この15年間で約5倍になっている。用途別需要動向は、飼料用とエタノールが同程度であり約70%を占める。約10~20%が輸出であり、残りが工業用である。 輸出先は、長年日本が第一位であったが、リスク分散により、メキシコが第一位が入れ替わっている。 ②農業新聞によると、日本の民間企業のトウモロコシ輸入は、年間1,100万トンであり、90%が米国産である。民間企業は3か月で発注契約をしており、今回の追加購入は3か月分に相当する275万トンである。今回の購入に対して、政府は追加保管費用と金利を負担するようである。遺伝子組み換えの問題は、今回の輸入品が該当するのでなく、すでに数年前から遺伝子組み換え品が輸入されている。事実を伝えるべきであり、すり替えすべきではない。 このような用途とか米国の輸出絶対量10~20%、また、現在の輸入第一はメキシコであることを考えると、トランプ大統領が日本を持ち上げているのは、多分にして、中国に農産物を購入させるための高等戦術とみることができる。トランプ大統領の思惑のように、9月に入って中国が米国産大豆を20万4000トン購入することを決めたようだ。さらに複数の中国企業が60万トン以上を購入契約したようだ。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
トウモロコシ一つをとってみても、米国の飼料・エタノール・輸出の実態を知らなければならない。また、日本の輸入の実態を知る必要がある。
①米国のトウモロコシは、バイオ需要が大幅に増えている。この15年間で約5倍になっている。用途別需要動向は、飼料用とエタノールが同程度であり約70%を占める。約10~20%が輸出であり、残りが工業用である。
輸出先は、長年日本が第一位であったが、リスク分散により、メキシコが第一位が入れ替わっている。
②農業新聞によると、日本の民間企業のトウモロコシ輸入は、年間1,100万トンであり、90%が米国産である。民間企業は3か月で発注契約をしており、今回の追加購入は3か月分に相当する275万トンである。今回の購入に対して、政府は追加保管費用と金利を負担するようである。遺伝子組み換えの問題は、今回の輸入品が該当するのでなく、すでに数年前から遺伝子組み換え品が輸入されている。事実を伝えるべきであり、すり替えすべきではない。
このような用途とか米国の輸出絶対量10~20%、また、現在の輸入第一はメキシコであることを考えると、トランプ大統領が日本を持ち上げているのは、多分にして、中国に農産物を購入させるための高等戦術とみることができる。トランプ大統領の思惑のように、9月に入って中国が米国産大豆を20万4000トン購入することを決めたようだ。さらに複数の中国企業が60万トン以上を購入契約したようだ。