「北の核の本質は中国に対するものである」という言説が一時あったけど、北が中国に屈服したいま、その点は完全に絵空事になりました。今となっては、張成沢も金正男も多数の中国派の元側近たちも、まったく犬死だったことになる。そしてその言説からみれば「朝鮮民族が」(あえて「北が」ではなく)核を持つ意味は、すでに根本的には無意味化しているのだと言えましょう。 一方、南が北への攻撃意欲を失って久しい今、米国単独で北単独を攻撃することなんか、北が核廃棄を完全におこなう限りは、ありえない。 さらにいうと、中露だけでなく、韓国も、日本すら、米国から核攻撃を受けないという保証なんかいま現在されてませんが、それでも米国となんとかやっていっている。この状態を北がつくりだすには、もともと核兵器をもとうとする必要なんかなく、ただ中国と南を懐柔するだけでできたことです。それは六カ国協議の枠内でもじゅうぶん可能でした。 そうみてくると、金正恩が核兵器にこだわる理由は、以前ここによく書かせていただいた言葉ですが、「我欲」ですね。自分が死にたくない、今のように独裁者として振る舞い、いい暮らしをしたい。 金正恩は人民が怖いということです。日米韓の政治家のように、人民のなかにはいって演説や握手をすることができない。米国に扇動された人民が自分を殺すとおもってる。これが、北が核を手放さない本質です。 わたしは、究極的には、朝鮮半島でだれとだれが殺し合おうと、こっちに迷惑さえかけなければどうでもいいのですが、それでも、金正恩の「我欲」を直視することなく北朝鮮を支持するヒトビトは、人としてどうかしているとおもいます。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
「北の核の本質は中国に対するものである」という言説が一時あったけど、北が中国に屈服したいま、その点は完全に絵空事になりました。今となっては、張成沢も金正男も多数の中国派の元側近たちも、まったく犬死だったことになる。そしてその言説からみれば「朝鮮民族が」(あえて「北が」ではなく)核を持つ意味は、すでに根本的には無意味化しているのだと言えましょう。
一方、南が北への攻撃意欲を失って久しい今、米国単独で北単独を攻撃することなんか、北が核廃棄を完全におこなう限りは、ありえない。
さらにいうと、中露だけでなく、韓国も、日本すら、米国から核攻撃を受けないという保証なんかいま現在されてませんが、それでも米国となんとかやっていっている。この状態を北がつくりだすには、もともと核兵器をもとうとする必要なんかなく、ただ中国と南を懐柔するだけでできたことです。それは六カ国協議の枠内でもじゅうぶん可能でした。
そうみてくると、金正恩が核兵器にこだわる理由は、以前ここによく書かせていただいた言葉ですが、「我欲」ですね。自分が死にたくない、今のように独裁者として振る舞い、いい暮らしをしたい。
金正恩は人民が怖いということです。日米韓の政治家のように、人民のなかにはいって演説や握手をすることができない。米国に扇動された人民が自分を殺すとおもってる。これが、北が核を手放さない本質です。
わたしは、究極的には、朝鮮半島でだれとだれが殺し合おうと、こっちに迷惑さえかけなければどうでもいいのですが、それでも、金正恩の「我欲」を直視することなく北朝鮮を支持するヒトビトは、人としてどうかしているとおもいます。