matusiro のコメント

天皇は「職務の負担を軽くしてくれ」とは言っておられない。「高齢と健康上の理由から、また象徴天皇の重さから、生前退位を行いたい」と希望されている。この天皇の自らの出処進退がなんで政治的発言なのだ。国政について減を挟んでるわけではない。自らの出処進退についてさえ、まともに検討されないなら、まさに政府(すなわち安倍首相)の政治的な奴隷である。
1946年2月、米国務省外交官エマーソンが、東京・GHQからバーンズ国務長官宛てに書いた長い報告書の中で、『新憲法の、天皇は単なる”お飾り(figurehead)”になると思います』と述べている。(「圀破れてマッカーサー」:西鋭夫p418)
米国から見た、象徴天皇制の位置づけである。しかし、今上天皇は、かつての元首天皇制(現人神として祭り上げられ官僚や軍人に利用された面も多かった)を反省の上で、”国民とともにあり、国民に寄り添う””象徴的な人間”として貫いてこられた。その延長線上で、「これ以上、象徴天皇を全うできない」という趣旨で、生前退位を提起されたわけである。
象徴天皇を全うした”人間”としてあるいは”個人”として、ぎりぎり最低限の希望を表明されたわけである。
このしごく当たり前の”希望”を袖にする安倍晋三という人格は、逆に、いかほどの「政治的な邪心」を抱いているのだろうと思う。単純に”生前退位”を行う特別法を作ればいいだけの話を、意図的に面倒にして、戦前回帰の『天皇の政治的利用』の思惑がプンプン匂う。
90%の国民が「生前退位は当然だ!」と思っている。米国はじめ海外(欧米)の常識からみても、生前退位は当たり前の話だ。なんとも胡散臭い有識者会議、安倍晋三の”落としどころ”。必ず、国民は黙ってはいない。必ずしっぺ返しをするぞ!

No.6 99ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細