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藤津亮太のアニメの門チャンネル

アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門メールマガジン

アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第80号(2015/12/25号/月2回発行)

2015/12/27 19:55 投稿

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 今年最後のメルマガです。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
 年末スペシャルとして28日から2週間、過去の配信を会員用にアップします。上田繭子さんゲスト初登場の回と、以外に知られていないおもしろ作品を僕が紹介する回の2本です。年末年始のお供にどうぞ。
 不定期アニメ日記は『スター・ウォーズ』の感想です。ネタバレしてますので、一番最後においてあります。未見の方はとばしてお読みください。  では、いってみましょう。

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1.最近のお仕事紹介
2.Q&A
3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
4.お蔵出し原稿
5.不定期アニメ日記

最近のお仕事紹介

1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
 1月~3月期は以下の内容です。絵コンテ講座は絵が描けなくても大丈夫です。お題にあわせて、皆で絵コンテを描いてみます。その中からいくつか選んで京田監督に講評してもらいます。今回は、お互いの絵コンテも見られるようにしてみようと思っています。
  1/16:京田監督ゲストの絵コンテ講座
  2/20:「アニメ・マンガの実写化はなぜ難しいのか」
  3/19:『風立ちぬ』
  https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/10fbb979-f4e6-3874-6d3e-5617227ea422

2.NHK文化センター青山教室「アニメを読む」
 毎月第三土曜13:30~からの開講になりました。1月期はスタジオジブリ特集です。
  1/16:「スタジオジブリのあゆみ」
  2/20:『おもひでぽろぽろ』
  3/19:『千と千尋の神隠し』
  https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1096799.html

3.SBS学苑パルシェ校「アニメを読む」(静岡)
 1/31(日)10:30~『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を取り上げます。
 今もって傑作とよばれる作品ですが、その成立には劇場版『エースをねらえ!』の存在がありました。果たして2作の関係とは。この講座は16年から隔月開催になります。
  http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=171101

4.栄・中日文化センター「アニメを読む」
 2/13(土)15:30~『サマーウォーズ』。細田守監督がこの映画で駆使している「技」について考え、何を描いた映画だったか考察します。この講座は16年から年4回開催になります。
  http://www.chunichi-culture.com/programs/program_165251.html


Q&A

 「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。文面にハンドル(名前)も入れてください。
あるいは、アニメの門チャンネルの有料会員は、アニメの門チャンネルページの掲示板サービスが使えますので、そこに質問をしていただいてもよいです。メルマガの下にあるコメント欄でも結構ですよー。


連載「理想のアニメ原画集を求めて」

今回は諸事情により代打として芯炒りさんの原稿でお送りします。

文・芯炒り(コーディネート:三浦大輔)

第9回 『OVA「ブラック★ロックシューター」原画集』

今回紹介させていただくのは、『OVA「ブラック★ロックシューター」原画集』。
OVAの50分余の本編から1冊に原画をまとめたことで、作品中の見どころのあるカットを網羅できていることが魅力の原画集だ。この原画集の特色は、なんと言ってもキャラクターデザイン松尾祐輔氏の監修の元に編集が行われていること。松尾祐輔氏はご存知の通り『ヤマノススメ』『アイドルマスター シンデレラガールズ』のキャラクターデザイン・総作画監督を務め、原画マンとしても近年の「かわいいデザインのキャラクターをかわいらしく動かす」という新たな流れを作ってきた一人とも言えるだろう。この原画集のチョイスは「このカットを見てほしい!」「自分ならこのカットの原画が載っていてほしい!」という作り手自身からの作品・仕事への情熱を感じることができる。

その表れが、この作品のアクションの見せ場である前半のバトルの原画をたっぷり掲載していること。日本を代表するアクションアニメーターである高橋豊氏と、2010年当時、スターアニメーターとして大ブレイク中であった田中宏紀氏の担当するシーンだけで誌面の2割(38/200p)を占めている。『ミロス』の原画集と同様に、煙や破片などのエフェクトにページが割かれ、その中には高橋氏のトレードマークとも言えるキューブ状の破片の飛び散る様子のみが掲載されているページまである。ここでは50を越える細かい破片1つ1つに、判別するための英字やカナ文字がふられ、それぞれに運動を与えながら弾け飛ばすというコントロールの過程を見ることができる。また、田中氏の担当している、柱や壁が砕かれながら屋内を駆け抜ける背景動画のアクションでは、走っているキャラクターも背景も柱も飛び散る破片も(通常は、作業の負担を考えてそれぞれを分けて描いてから後の工程で合成するところを)すべて同じセルに描いて動かすというとてつもない原画も掲載されており、画面全部が動いていくダイナミックな瞬間を楽しめる。

キャラクターの感情をこめた表情や生活感のある情景についても、松尾氏によるレイアウト修正が多く載せられ、1枚の絵としての繊細な部分も堪能できる。さらに、アニメーションの基本動作の一つでありながら奥の深い走りの動作や、さりげなくも労力のかかる手元の動作など、アニメーターの腕の見せどころとも言えるカットも選ばれている。
そこで見逃してはいけないのが、動きの一連の原画はほとんど動き始めから動きの終わりまで(1~endまで)全て収録し、タイムシートも付いていること。実際の動きを発想したり、絵をどういったタイミングで変えていくのか考えたりする時の参考にできるようになっている。ここにはアニメーターや志望者が実際に参考にすることも想定されて作られているように見える。これはアニメファン側にとっても、作り手側が見てほしいところ、気になるところを知る端緒とすることもできるだろう。その最たるものが、道に倒れている自転車をアップで映しているレイアウト1枚をまるまる1ページ使って大きく載せていることだ。「自転車を描くのは難しい」とよく言われるが、角度をつけてタイヤの模様やスポークの1本1本を描きこんでいかなければならないことの難しさがこの1枚でわかる。キャラクターとしてもドラマとしても、これよりもっと重要なカットはあっただろう。しかし、これを見てほしかったのではないか。

こういった作り手側のアニメーターの視点、「見てほしいもの」とわれわれ見る側のファンの視点、「見たいもの」はときに食い違うこともあるかもしれない。しかし、そこに作り手側から込められたメッセージは作品から直接送られてくるものではなくても、作り手側が作品を語ったものではあるはずだ。そういった「読める」原画集の一つとして、「理想の原画集」を考えさせてくれる原画集である。
現在はやや手に入りにくくなっている状態ではあるが、松尾氏をはじめ、有名作品でキャラクターデザインやメインアニメーターなどで主要な役職を担っているアニメーターの方々の仕事を収めたこの本が、また多くのファンの目に触れられるようになることを願う。

(『OVA「ブラック★ロックシューター」原画集』/発行:Ordet、販売:ムービック/¥2500)


お蔵出し原稿

 先日「ビッグコミックオリジナル」のコラム欄「オリジナリズム」に掲載した原稿です。こういうアニメにない原稿も楽しいですね。

家には代わりがない。

 横浜市にあるマンションが傾斜しているというニュースが報じられた。全4棟705戸というから1000人以上が暮らしているのではないか。立地からして子育て世代も多いだろう。昨年11月、そのうちの1棟で手すりの部分がずれていることが発見された。住民の要望で調査が行われると、マンションを支える杭の一部が固い地盤に届いていないという事実が発覚。杭のデータは改ざんされていたことが明らかになった。
 どうしてこうなったのか、これからどうなるのか、気になることは多い。マンションを販売した企業は4棟全棟を建て替える方針という。僕はそのことが妙に心に残った。
 もちろん安全性に不安があるマンションに住み続けるわけにはいかないから、企業の提案は極めて妥当だ。とはいえ、スニーカーだって、自動車だって使い慣れれば愛着が沸く。まして「人生最大の買い物」である家なのだ。「不具合がありました。はい、新品」とはならない、新品になってしまったことで、かえって失われてしまうものもあるはずだ。
 僕は18歳で家を出てから転勤や転職で11回も引っ越しをしている。だからなのか、23区のはずれに居を構えて10年経っても、なんだか仮住まいのような気分が抜けない。今は父が一人で暮らしている実家に帰っても、もはや「自分の家」という感慨は薄い。
 それでもその“父の家”を「自分の家」と思える瞬間が時折訪れる。きっかけの一つは、リビングの扉の脇に刻まれた背比べのあとだ。背の高さに引かれた横線と父の几帳面な文字で書かれた日付。それを目にすると「ああ、ここは家なんだ」という思いが溢れてくる。
 「いくら長生きしても、最初の二十年こそ人生の一番長い半分だ」というのはイギリスの詩人の言葉だそうだ。とするなら、その「長い半分」の思い出が刻まれている場所こそがその人にとっての「家」なのではないか。僕にとっては“仮住まい”気分が抜けない自宅も、2人の子供にとってはそれぞれの記憶が刻まれた「狭いながらも楽しい我が家」なのではないか……と思いたい。
 件のマンションが完成したのは2007年。入居してからの8年間を長いと思うか、短いと思うかは人それぞれだろう。だが、さきほどの言葉にならえば、8年とは「人生の長い半分」の半分弱だ。新生児は一人で登校できるようになり、中学生は成人する。それだけの時間だ。あのマンションはそんな記憶が刻まれることで、子供たちの「家」になっていったはずなのだ。でも、そんな記憶は古い家とともに壊されてしまうかもしれない……。
 嘆いてもしょうがない。でも、家というのは単なる住空間、単なる財産ではないのだ。家は子供の記憶と深く結びついて家になる。、だからそこには「替え」などない。ニュースを見るたびに、このことをはいろんな人に忘れてほしくないと思うのだった。特に住宅関係にお勤めの方には。


不定期アニメ日記

 アニメじゃないけれど『スター・ウォーズ フォースの覚醒』の話を。ネタバレしますので、読みたくない人は飛ばしてください。

 

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