なにやら2年前にアニマゲドンで取り上げられた読書感想文の書き方が、今頃tumblerに採取されて金曜日からずいぶんとRTされていました。というわけで改めて「読書感想文」の書き方をブログにアップしておこうと思います。

 どうして読書感想文が書きづらいかというと、「感想文」という名前に理由があります。この感想文という名前のおかげで、「紹介」でも「批評」でもないという文章の性格がわかりにくくなっている。実は読書感想文というのは、感想を書く文章ではないのです。

 じゃあ「読書感想文」とは何を書くかというと、「読書体験を書く文章」なんです。そういう意味では、生活体験文と同じ種類の文章なんです。生活体験文は、自分がどんな行動をしたかを書いた上で感想(感慨)を書き添えますよね。それと同じで、読書感想文も、自分がどんなふうに本を読んでいるか、そこをまず書くことから始まるわけです。

 だから読書感想文を構成しうる要素というのは――

(本を読む前)
・出会い。その本をどこで手に取ったのか
・きっかけ。その本のどこをおもしろそうと思ったか

(読書中)
・本の概要の説明
・実際に読み始めてみてどう思ったか(長い文章にするには、ここをストーリーの展開に合わせて書いていく。多くは主人公の心情に寄り添って書いていくとやりやすい)

(読書後)
・一番心に残った場面はどこか
・どうして心に残ったのか
・読書前と読書後で自分の何が変わったか(他者への理解が増したのか知識が増えたのかetc)

 というものになります。
 もちろん書いてもツマらない部分はとばしてしまってもいいわけですし、ちょっと冒険心があるなら、本を読む前の出会いだけで「体験」を語ることも不可能ではないです。

 大事なのは、体験文ですから自分語りをどんどんすべきということです。自分の体験と登場人物の体験を照らし合わせたり、自分の考え方と登場人物の考え方を比べてみたり。それによって自分の心情・考え方等々が変化していったことをレポートするのが「感想文」の実体ということです。
 なお、これは「上手い読書感想文」を書く方法ではなく、「なんだか読書感想文って書きにくい」と思われている方へ思考の筋道をつける方法ですので、その点ご理解いただければ。
 ただ、何を書くのかを自覚することは、上手い文章への第一歩でもあります。

 というわけで残り少ない夏休み。検討を祈るります(特にお尻を叩く両親の皆様)。 c?ro=1&act=rss&output=no&id=2027980&name
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