『日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析』
今、半分弱まで読み終わりましたが、ひとことでいうと「こういう本を待っていた」という一冊です。通史を語るには「基本的な出来事へのすきのない目配り」と「それがなぜそうなったかというベーシックな事実の把握」、その上で「全体を貫く視点」が必要なわけですが、そういう一冊です。
僕は僕なりに、そういうことができないか構想したこともありますが(朝日カルチャーセンターで講座の形でやってみた)、あまりうまくできなかったんですよね。だから、本書を読んで「そうか、こういうアプローチでいけるのか」と蒙を啓かれるところが多々ありました。おもしろいとか、いい内容とか以上に、「アニメを見る枠組み」がとてもクリアになります。仕事にしている僕でもそうなのだから、そうでない人が読むと、物事の捉え方の粒度が驚くほどに上がると思います。
もともと東京国際映画祭2019で氷川さんと原口正宏さんが行ったマスタークラス「「アニメ映画史、最重要変化点を語る」がとても素晴らしく、ことあるたびに推していますが、本書はこのマスタークラスがベースになったところもあるとのことで、冒頭から言及があります。
https://www.youtube.com/live/3Y6zlM-n9Kg?feature=share
多くの人に読んでほしい一冊です。
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