アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門メールマガジン

アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第157号(2019/3/22号/月2回発行)

2019/03/26 01:35 投稿

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  • 藤津亮太
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  • DEVILMAN_Crybaby
  • キルラキル

 WEBで新連載が始まりました。「BANGER!!」というサイトで、アニメと実写をいったりきたりする内容で、タイトルは【実写(アッチ)もアニメ(コッチ)も】。初回は「『ブレードランナー 2049』と『人狼 JIN-ROH』から見る、“犬”という生き方」です。

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1.最近のお仕事紹介
2.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
3.お蔵出し原稿
4.連載一覧





最近のお仕事紹介

1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」4月期(東京)
 4月20日「脚本を書いてみよう!」(特別講師:大河内一楼)
 5月18日『総括「平成のアニメ」とは何だったのか?』
 6月15日「アニメと戦争 冷戦を超えて」(冷戦後、アニメは戦争をどう扱ったか)
 【受講申込】

2.静岡SBS学苑パルシェ校(3月)
 3月31日 『DEVILMANcrybaby』【受講申込】


連載「理想のアニメ原画集を求めて」

文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

第85回『ペンギン・ハイウェイ展 in ササユリカフェ』

久々に、ササユリカフェで開催されている原画展に行ってきました。『ペンギン・ハイウェイ』は本編も楽しんで観たので、原画展も楽しみにしておりました。
ササユリカフェでの原画展は、展示作品によって装飾もずいぶんと変わります。今回は今まで見た中でもかなり凝った装飾で、作品の内容に合わせた雰囲気となっていました。 プリントアウトされて額装された背景美術で壁が埋められており、見ごたえがあります。他にも、作中に登場した関連書籍と一緒にアオヤマ君のノートのプロップなどが展示されており、作品を追体験できる、ファンには嬉しい展示内容となっていると思います。

作品の資料も、今まであまり見たことのないタイプの資料がファイリングして展示されており、興味深かったです。
企画書やイメージボード、後者は絵コンテ形式で作品の流れが一通り描いてあるもので、ボリュームがありました。他にもキャラクターデザインが複数のファイルに分けられて、初期段階から最終決定稿まで追いかけて見られるようにまとめてあり、こちらもボリュームのある内容でした。参考となったロケハンの写真なども多数掲載されており、完成した作品とは違う変更点も数多く見つけることができるもので、見ごたえがありました。 これは珍しいと思ったのが、キャラクターデザインに監督の修正が細かく載っており、修正前、修正後を見比べられるようになっていたことです。修正といっても、変更されているのがキャラクターのポーズ集の手足のポーズという細かいニュアンスの部分が多く、見ていて楽しい資料でした。
『ペンギン・ハイウェイ』は設定資料が出版されており、設定資料本としてもかなり完成度が高い見ごたえのある本ですので、未見の方がいればおすすめです。

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他には、パラパラできる原画の束が置かれていて、高橋英樹さん、立中順平さん、わしおさん、山田奈月さん、川野達朗さん、押山清高さんの原画の束が展示されていました。 立中さんは、元々ディズニージャパンにいた方だという知識は事前にあったのですが、展示されていた原画が本当にディズニー作品のようで面白かったですね。今までいろいろな原画を見てきましたが、見たことのないタイプの原画で、スクオッシュ&ストレッチを基本としたディズニー的な動きの原画で非常に新鮮でした。
山田奈月さん、川野達朗さんは、川野さん率いるアニメーション制作チーム「teamヤマヒツヂ」として活動しており、コンビとして『ペンギン・ハイウェイ』以外でもコロリド作品の『すすめ、カロリーナ。』を制作しています。他にも『BORUTO -NARUTO NEXT GENERATIONS-』のOPを制作しています。この「teamヤマヒツヂ」がコロリドの中のチームなのか、川野さん率いる独立したチームなのかはよく分からないのですが、『ペンギン・ハイウェイ』内でもクライマックスのペンギンパレードのシーンを担当しており、これからが楽しみなアニメ制作集団だと思うので、要注目です。
また、石田祐康さんや新井陽次郎さんのものと思われる修正の束が、それぞれ置かれていました。
『ペンギン・ハイウェイ』は、完成した映像の線の質感が特殊だったので、どのように処理しているのか気になりましたが、それはこの展示ではよく分かりませんでしたね。制作もフルデジタルというわけではなく、やはりまだアナログとデジタルが混合した制作状況だったようですが、個人的には動画以降の制作がどのような工程で進んでいたのかというのも興味があります。

他には、ポスターのメインビジュアルの工程をまとめたファイルがありました。
そして、最後に置かれていたのは、監督の石田さんが学生時代に制作した『フミコの告白』『rain town』の資料をまとめたファイルでした。石田さんの『フミコの告白』は、自主制作アニメの中でも最も話題になった作品と言っても過言ではないと思うのですが、もう十年も前の作品になるんですね。 「teamヤマヒツヂ」の川野さんは『フミコ』にも作画として参加しており、十年経って長編劇場作品のスタッフとしてタッグを組んでいるのを見るというのは凄いことですね。
『ペンギン・ハイウェイ』 は、コロリド初の長編劇場作品ですが、新しいアニメ映画の風を感じられる作品でした。このスタッフがこれからどんな作品を生み出してくれるのか楽しみです。

(『ペンギン・ハイウェイ展 in ササユリカフェ』/展示は無料ですが、ササユリカフェでの飲食代が必要となります)
※写真はお店の方の許可をいただいています。


お蔵出し原稿

 2014年のFebriに書いた『キルラキル』に関する原稿です。お題は『キルラキル』と『男組』の関係を書いてほしいというもの。今年は今石中島コンビの新作『プロメア』もあるので掲載します。

 

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