『この世界の片隅に』の本予告が流れ始め、キャストも発表になって大変話題になっていますね。
僕は同作のムックを作ることになり、鋭意作業中です。すごくおもしろい映画になっていますので、是非多くの人が劇場に足を運ぶとよいなと思っています。
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1.最近のお仕事紹介
2.Q&A
3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
4.お蔵出し原稿
最近のお仕事紹介
1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
9/17 『交響詩篇エウレカセブン』
10/15 『アリーテ姫』『マイマイ新子と千年の魔法』
11/19 特別講座『動きのおもしろさを体験しよう』
※ゲスト講師 演出・アニメーター 数井浩子
12/17映画『ラブライブ!The School Idol Movie』
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/dbf50167-77f5-f85e-c98c-577de73c53f2
2.朝日カルチャーセンター新宿教室特別講座
12/3「僕はこんな作品を見てきた。'80年代 バブルの喧噪と昭和の終わり」
アニメーション監督・幾原邦彦氏をゲストに招き、氏が触れてきたアニメ・文学・映画・演劇作品を振り返る講義の第二弾。今回は'80年代の作品を中心にうかがいます。幾原監督が、どのような作品に接することでクリエイターとしての地盤を形成してきたかが垣間見える内容です。聞き手は僕と上智大講師・上田麻由子さんです。
【取り上げる予定の作家】
森田芳光、相米慎二、池田敏春、吉本ばなな、村上龍、村上春樹etc
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/348243ee-1ee0-ba9b-141a-577daebf06e8
3.SBS学苑「アニメを読む」
映画『機動戦士Zガンダム A New Translation』三部作
'85年に放送されたTV「Zガンダム」と「新訳」と銘打たれた劇場版では、どこがどう違うのか。その根本を見極め、TV「Zガンダム」が目指したものと、映画「Zガンダム」が目指したものを比較します。
http://www.sbsgakuen.com/Detail?gakuno=2&kikanno=175886
4.WOWOWぷらすとに出演しました
8月4日に、WOWOWの配信番組「WOWOWぷらすと」に出演しました。お題は「10年代のアニメ映画を語る。」。今はアーカイブで見ることができます。
9月8日にも出演が決まっています。こちらは「キャラ化」がお題だそうです。
5.ユリイカ2016年9月号 特集=新海誠
「“新海誠らしさ”とは何か」という原稿を寄稿しています。
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2965
Q&A
「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。文面にハンドル(名前)も入れてください。
あるいは、アニメの門チャンネルの有料会員は、アニメの門チャンネルページの掲示板サービスが使えますので、そこに質問をしていただいてもよいです。メルマガの下にあるコメント欄でも結構ですよー。
連載「理想のアニメ原画集を求めて」
文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)
第24回『alunifomel.6』
『alunifomel』は、ちゃうさんこと、アニメーターの川野達朗さんがサークル「アルニホメル」から出している同人誌。今まで6冊刊行されています。
初期にはイラストや落書きなどを収録していましたが、『alunifomel.5』からは原画が掲載されるようになり、最新刊の『alunifomel.6』では原画の掲載がメインとなりました。
ページ数も、それまで30ページ前後だったものが、3倍の約90ページとなっています。
『6』では、原画と言っても「LO(レイアウト)」、近年で言う「第一原画」のみの掲載になっているのが珍しいところです。そのうち大部分を占めるのが『甲鉄城のカバネリ』で、川野さんはこの作品にアクション作画監督として参加されています。
アクション作画監督と言っても、他の人が描いたLOや原画に修正を入れる役割ではなく、アクションパートのLOを描く仕事だったそうで、この同人誌に掲載されているLOでそのお仕事を見ることができます。
川野さんは大学時代に『フミコの告白』に参加。その後、アニメ会社に就職した後、早い段階でフリーになり、直後に作画監督に抜擢された破格の新人でした。
作画監督としては、『夜桜四重奏 ハナノウタ』に参加。この作品は、りょーちもさんを中心として、日本ではまだ珍しいデジタル作画をTVアニメで本格的に取り入れた作品でした。
この同人誌に掲載されているLOもデジタル作画で描かれたもので、LO集であることと、フルデジタル作画の原画集であるという2つの珍しい特徴を持った同人誌となっています。
巻末で触れられているのですが、LOを中心とした構成は、完成原画よりも前工程の素材を見たいという業界人としての感覚から作りだされたそうです。
ちなみに、『5』に掲載されているのは完成状態の原画なので、『6』の内容と見比べることもできると思います。
『5』に掲載されている作品は、CM『古の女神と宝石の射手』と『攻殻機動隊 新劇場版 GHOST IN THE SHELL』の2本。こちらの原画は、デジタルで描かれたLOを、アナログで清書したものだそうです。
『6』に掲載されているのは、『甲鉄城のカバネリ』、『おそ松さん』、『パズル&ドラゴンズCM 冬の青春篇』の3本。『5』と『6』、どちらもアクション中心に掲載されており、見応えのある内容です。
いま、アニメのデジタル作画は幾つかのソフトが競合しています。FLASH、TVPaint、Toon Boom、Stylos等なのですが、この同人誌に掲載されているLOは、TVPaintで描かれたもののようです。そもそも『カバネリ』という作品が、TVPaintを押していた作品でした。TVPaintはフランス発のソフトです。
フランスは、デジタル作画の分野では日本よりも先進国で、フルデジタル制作の劇場長編なども何本も制作されています。日本では、まだTVシリーズの中で数回作られた程度ですので、デジタル作画の分野では、国内と海外では相当な開きがあるというのが分かると思います。
これから、国内でデジタル作画がどう発展していくのか、まだはっきりとは分かりませんが、川野さんはその中心となって活躍されていく方だと思います。川野さんは絵自体がとても魅力的な人なので、今までのイラストの同人誌も好きだったんですが、これからは原画の掲載がメインになっていくのでしょうか。今後のご活躍ともども、楽しみなところです。
デジタル作画は、紙に描かれるアナログ作画と違い、物理的に存在する素材が破棄されるようなことはありません。原画集等を作る時に問題になるのが、そもそもの素材の有無です。制作時のスキャンを元にしている場合もありますが、デジタル作画が普及することで、今後はそうした問題から解放されることになります。
また、本来素材が回収された場合、手元に残らなかった原画が、データとしてアニメーターの手元に残る事にもなります。原画集のみならず、アニメ制作のアーカイブデータがどのように活用されていくのかは、今後のアニメ制作の中で重要な課題になっていくのかもしれません。
(『alunifomel.6』/アルニホメル/¥3225)
お蔵出し原稿
マンガ誌「ビッグコミックオリジナル」のコラム欄・オリジナリズムに掲載した原稿です。「時事ネタ」を扱うというコラムなので、珍しくアニメとは関係のない原稿です。
横浜市にあるマンションが傾斜しているというニュースが報じられた。全4棟705戸というから1000人以上が暮らしているのではないか。立地からして子育て世代も多いだろう。昨年11月、そのうちの1棟で手すりの部分がずれていることが発見された。住民の要望で調査が行われると、マンションを支える杭の一部が固い地盤に届いていないという事実が発覚。杭のデータは改ざんされていたことが明らかになった。
どうしてこうなったのか、これからどうなるのか、気になることは多い。マンションを販売した企業は4棟全棟を建て替える方針という。僕はそのことが妙に心に残った。
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