10月27日に投票が行われる衆議院選挙。
石破自民党以外の殆どの政党は、景気対策と生活支援のために「減税」を公約に掲げている。
確かに野党の多くが掲げる消費税の減税などは、上記の二つ(景気対策と生活支援)を実現する有効な政策である。
一方で、経済で最も重要な「通貨発行権」に対する政策は全く話題になっていない。
日本で公的な通貨発行権を担っているのは日銀と民間銀行である。
この二つの機関以外は、事実上、「円」という法定通貨を創ることは出来ない。
政府は、硬貨(100円玉や500円玉など)を発行する事が出来るだけだ。
しかも硬貨は事実上、日銀からの発行指示が政府にだされ、それを造幣局で作り、日銀に渡しているだけである。
そして政治からの日銀の政策的な独立性は、98年に作られた日銀法によって公的に保障されている。
つまり、日本政府には法定通貨である「円」をつくる通貨発行権が事実上ない。
銀行業(中央銀行と民間銀行)が貨幣を創り出すことを「信用創造」と呼ぶ。
この銀行の信用創造によって貨幣が作られる経済の全体像の仕組みを、図にすると以下のようになる。(赤丸の部分が政治と通貨発行権の問題の箇所)
↓
この政治から独立した日銀の金融政策(大規模な量的緩和)によって、市場の金利が低くなり、マネタリーベース(日銀当座預金と紙幣などの現金)が増加してきた。
その結果、貨幣の金利の面からも量の面からも円安圧力が強まり、輸入物価などを上昇させ、悪い面での物価を上昇させている。
物価上昇に対して、賃金が上がらず実質賃金が下がり続け、庶民の生活が圧迫される状態が長期に渡り続いている。
もし政治に通貨発行権があれば、日銀の金融経済向けの金融政策(国債、株、不動産の購入)などを行う必要はなく、財政政策によって上記の図の実体経済向け(赤い水の部分)にマネーを純増させる形で景気対策を行うことができたはずだ。
しかし政治に通貨発行権がないために、日銀独自の愚かな金融政策を行わせ、金融経済(上記の図の青い水の部分)と民間銀行のみ(上記図の日銀当座預金の部分)に資金(水)を供給する政策を行ってきたのである。
その結果、株や不動産は上昇し円安になる一方で、実体経済は一向に上向かない状態が続いてきた。
消費税の増税は景気を悪化させてきた主要要因の一つである。
それでも政治に通貨発行権があれば、国民にマネーを配るなどして、実体経済向けにマネーを純増させることが出来るわけであり、不景気を克服する事は容易である(そもそも通貨発行権があれば財政が悪化しないので、消費税も増税する必要はない)。
現在の日本の経済おいて最重要問題である日銀と通貨発行権の問題ついて、各政党(自民、立憲、維新、国民民主、共産、社民、れいわ、参政、新社会党)がどのようなスタンスであるかを調べた。
結論から述べると、れいわ、参政党、新社会党が少し政策部分に触れているだけで、その他の主要政党には何も改革案はない。
つまり政治に通貨発行権がない現状を追認している。
↓
石破自民党の日銀に対する政策をみると以下の部分のみ。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
政治が通貨発行権に関与することは全く考えていない。残念。
↓
政権公約2024|自由民主党https://t.co/PwrEgnhf7I…
立憲民主党|立憲民主党 政策集2024https://t.co/ZC5U5TcFsM #立憲民主党
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
立憲の日銀に対する政策。実質賃金の上昇目標と、保有ETFの政府への移管は良い。しかし、これでは政治による通貨発行権への関与がない状態が続いてしまう。
↓…
基本政策 - れいわ新選組 https://t.co/bGyjgnZEUK
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
れいわが提案する日銀に対する政策。政治の通貨発行権の関与を強化する案。これは必要。
↓
・日本銀行は国会の民主的コントロールのもとにおき、物価安定目標は主要国の目標を参考に国会で定める…
以下の維新のマニフェストを見たが、日銀および通貨発行権に対する記載・提言は一つもない。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
現在の政治が通貨発行権に関与できない残念な状態を追認している。
↓
マニフェスト | 日本維新の会 衆院選2024 特設サイトhttps://t.co/s4LOjOCGmp
国民民主党の政策提言を見る。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
日銀・通貨発行権に対する記載が一切ない。
この党も政治が通貨発行権に関与できない残念な現状を追認。
↓https://t.co/b7J7W6UekO
【政策】国民民主党2024年重点政策を発表 | 新・国民民主党 - つくろう、新しい答え。
以下の日本共産党のマニフェストを見た。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
現在の日本社会の矛盾を是正する様々な政策が連ねられている。
しかし日銀および通貨発行権に対する記載・提言は何もない。
この党も現在の政治が通貨発行権に関与できない経済面での最大の矛盾状態を追認。
↓
日本共産党の政策https://t.co/6lPnlSFZC7
社民党の日銀に対する政策をみる。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
日銀の金融政策と通貨発行権の問題に関しては一言も触れていない。
この党も旧来の多くの政党と同じで、日本の政治が通貨発行権に関与できないという経済面での最大の矛盾状態を追認している。
↓
社民党 第50回衆議院選挙 マニフェスト https://t.co/ET4T7UfIlP
参政党の日銀や通貨発行権に対する公約を見る。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
選挙公約のページには記載はなし。
しかしQ&Aに次の文章が記載。
「参政党は積極財政で減税を目指す。
それを実現するためにデジタル政府紙幣の発行(松田プラン)を提唱。」
これは有効な改革案。
↓
参政党 衆議院選挙 https://t.co/BU1Bq1p7et
議席獲得が予測される日本保守党の日銀・通貨発行権へのスタンスを見る。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
政策のページにはその事に対する記載がなし。
この党も多くの政党と同じで、日本の政治が通貨発行権に関与できないという経済面での最大の矛盾状態を追認している。
↓
日本保守党 重点政策項目https://t.co/Mi1hno2dHa
社民党から分裂した新社会党の日銀・通貨発行権に対するスタンスをみる。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 23, 2024
独立性を持たせながら、民主的な運営に変化させる改革案を提案。
↓
新社会党 中期方針https://t.co/cmP247rOuh
③ 金融機関への規制…
通貨発行権の問題に対して、上記のれいわや参政党、新社会党が改革案を出しているとしても、細かい政策集で述べられているだけで、マニフェストには掲げられていない。
これは、以下のように、政治の世界において、この通貨発行権の問題が無意識化されている状態を表している。
(上記図は拙著 フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理 図解で解明する、その光と闇の全容 より転載)
この「無意識化の手法」がとられているのは、深刻な薬害問題となっているコロナ・ワクチンの被害などでもあてはまる。
この話題は、国際的な圧力の面からも、選挙民にとってはわかりにくいという話の内容面からも、政策に掲げにくいという部分はあるだろう。
しかし、実現はすぐに難しくても、実現すべき政策を掲げるのが選挙である。
無意識化されている状態が続くなら、何が問題なのかも国民は気づくことが出来ない。
各政党は積極的にこの通貨発行権の問題を政策提言に盛り込んで、国民に訴えていくべきである。
以下の図は、現在の管理される日本社会の全体像。今回の記事の通貨発行権が関わる部分は「⑥ー2」の箇所。
↓
(上記図は拙著 フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理 図解で解明する、その光と闇の全容 より転載)
この図を以下のような国民主権と民主主義が機能する全体像にすべき。
今回の記事の通貨発行権が関わる部分では、左下の「政治通貨・公共貨幣」の部分
↓
(上記図は拙著 フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理 図解で解明する、その光と闇の全容 より転載)
なぜ、政治から通貨発行権が分離させられてきたのか?
その歴史的な経緯と仕組みについて詳しく知りたい方は、以下の動画をご覧ください。
↓
また通貨発行権のない民主主義の問題点の全体像の仕組みを知りたい方は以下の本をお読みください。
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・著名な国際アナリスト・作家の北野幸伯先生から頂いた書評
↓
「真の民主主義・資本主義とは何か、誰も知りません。世界で唯一、それを提示しているのが天野先生です。」
・作家・ジャーナリストの船瀬俊介先生から頂いた書評
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「経済と政治を知るには、これ一冊で十分だ!」
<リンク>新刊に頂いた書評一覧
・新刊の購入・試し読みはこちらから
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Amazon.co.jp: フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理 図解で解明する、その光と闇の全容 : 天野 統康
・動画での本の概要の解説はこちら
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(記事終了)
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