※前回書きましたが、先週の水曜日頃から風邪にかかり体調を崩しました。

検査ではコロナもインフルも陰性だったので、アデノウィルスだと思われます。

アデノウィルスは有効な薬が無いそうです。

また喉がやられるため、気管支炎のような症状がでています。

もう少し長引きそうです。

コロナ、インフル共々流行っているようなので皆様もお気を付けてください。



今回は日本国憲法の根本価値である「人間の尊厳の原理」の意味することを、

図形哲学で表すことについて解説する。


9月21日に国連総会で岸田首相が演説を行った。

「人間の尊厳の保障」がテーマである。


岸田首相「人間の尊厳に光を」 国連で演説、核軍縮や国連改革も主張:朝日新聞デジタル 岸田文雄首相は米ニューヨークの国連本部で現地時間19日夜(日本時間20日午前)、一般討論演説をした。国際社会が直面する気候変動や感染症などの課題を挙げ、「イデオロギーや価値観で分断されていては課題に…リンクwww.asahi.com

その全文が日経新聞に掲載されていたので、「人間の尊厳」を述べている部分を転載する。

岸田文雄首相の国連総会での一般討論演説 全文 - 日本経済新聞 (nikkei.com)


我々は、人間の命、尊厳が最も重要であるとの原点に立ち返るべきです。

我々が目指すべきは、脆弱な人々も安全・安心に住める世界、すなわち「人間の尊厳」が守られる世界なのです。


国際社会が複合的危機に直面し、その中で分断を深める今、人類全体で語れる共通の言葉が必要です。


「人間の尊厳」に改めて光を当てることによって、国際社会が体制や価値観の違いを乗り越えて「人間中心の国際協力」を着実に進めていけるのではないでしょうか。


(中略)


日本は各国とともに、投資のダイナミズムを引き寄せつつ「人間の尊厳」を守る経済の在り方を模索してまいります。


未曽有の危機と課題に立ち向かい、「人間の尊厳」を守り、強化するため、各国と共に一歩一歩、実現できるところから実現していこうではありませんか。


第1に「人間の尊厳」が尊重される、平和で安定した国際社会の実現に向けた協力です。


(中略)


また、紛争により脆弱な立場に置かれた人々の尊厳の擁護も重要です。


(中略)


第2にデジタル化の進展と人間の尊厳との両立の実現です。


(中略)


国連憲章には、二度の大戦の経験を経た、戦争の惨害から将来の世代を救い、「人間の尊厳」を守るという、先人たちの固い決意が刻まれています。


(中略)


国際法は弱い立場の国のためにあります。「人間の尊厳」を守り、強化するために、脆弱な国・人々が平和に生きる権利を「法の支配」をもって共に守りたいと思います。


(中略)


「人間の尊厳」を守り強化する国際協力は、世界が再び同じ目標に向けて動き出す原動力となります。


来年の未来サミットで、将来世代を念頭に議論を深めることを楽しみにしています。


その先、ポストSDGsを今後検討していく上でも、「人間の尊厳」こそが国際社会の未来を照らす中核的な理念とならなければなりません。


「人間の尊厳」を強化するため、力を結集し、「協調のための国連」を実現しようではありませんか。


(転載終了)




以上のように、「人間の尊厳」を連発した岸田総理の演説であるが、

問題は「人間の尊厳」という言葉の意味である。


これが使う人によって意味や定義が曖昧な、分かったような分からないような物なのだ。


人間尊重という姿勢は共通しているが、人間の何を尊重するのかの

「何を」の部分の解釈が人によって違うためだ。

これは日本でも世界でもそうである。


イスラム諸国のように、政教一致の国家では、人間の尊厳とは

神によって与えられた生得的な権利、

と考えられているだろう。また内容も聖典に書かれている。


そういう意味で曖昧さは少ないと言える。


一方で、日本のような政教分離した民主国家における「人間の尊厳」

という言葉の意味の曖昧さは、次のような理由からもたらされている。


・憲法学(日本国憲法はマッカーサなどのフリーメイソンが作成)において、「人間の尊厳」と「個人の尊厳」の言葉の定義が明確に区別されていない


憲法学では13条の「個人の尊厳(尊重)」が、

「憲法の究極の目的」と定義され解釈されている。


この究極の目的であるはずの「個人の尊厳」の意味が曖昧にされており、

かつ「人間の尊厳」と同じ意味に使われたりする。


そのため「人間の尊厳」の意味も曖昧になって使われているのだ。


その混乱ぶりを整理するために、

拙著『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』

では、「人間の尊厳」と、「個人の尊厳」を明確に分けて用いた。


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「人間の尊厳」を憲法の倫理的な大前提(根本価値)とし(下の図①を参照)

「個人の尊厳」を「憲法の究極の目的」として定義した(下の図④を参照)。

上記図の①の「人間の尊厳」の意味は、「人間は存在そのものが尊く(友愛の原理)、かつその尊さの価値は等しい(平等の原理)」という民主主義の倫理的な大前提である(友愛と平等の原理で形成)。

上記図の④の民主主義の目的である「個人の尊厳」は、その「①の人間の尊厳(根本価値)」から、「②の万人の幸福追求の自由の尊重(基本価値)」と、「③の万人の善追求の自由の保障(最高価値)」が導出され(②と③は自由の原理)、その各価値の関係性から、目的の意味が導き出される内容になっている。

上記図の⑤は「④の目的を実現するための民主主義の諸権利と諸制度の原理」であり、これらは「自由、平等、友愛、真理の法の原理」で形成されている。


上記のように「人間の尊厳」と「個人の尊厳」の定義を明確に分離した事で、究極の目的である「個人の尊厳の意味」が明確になった。


また、当然ながら「人間の尊厳の意味」も明確になった。


ただし、上記の拙著で記載していなかったのは、「人間の尊厳」を図形のモデルで表していなかったことである。


そこで、今回、民主主義の根本価値である「人間の尊厳」を下記のように円モデルで図解した。




上記図のように二つの円が交わるところで何らかの意味を形成するというのは、

フリーメイソンの秘儀の基礎になっていると言われるカバラなどの

象徴・図形哲学では遥か昔から使われてきた。

下記の図の赤丸部分を参照。

上記の「人間の尊厳」の円モデルを、憲法の全体像と照合したのが下の図になる(赤枠部分)


以上で、先日に記事にした「個人の尊厳」を図形哲学でモデル化したのに続き、

「個人の尊厳の原理の円モデル」からフリーメイソン33位階(最高階級)の紋章(九芒星)の意味を推測 | 天野統康のブログ 


今回は、もう一つの原理である人間の尊厳を図形哲学でモデル化した。


これで、上記図で展開した憲法の全体像の重要な各項目は、全て図形哲学化(フリーメイソンの秘教的なカバラ化)することができた。


憲法学で「人間の尊厳」と「個人の尊厳」の意味が

無意識化されてきたことについてはこちらの動画で解説しています。




今回展開した、民主主義の原理を詳しく知りたい方は以下の本をお読みください。




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(記事終了)


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