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個人の尊厳を目的とした憲法の天皇制の位置付けと、個人の尊厳を尊重する保守伝統主義のモデルの作成

2022/11/05 01:46 投稿

コメント:1

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私の新刊の

『フリーメイソン最上層部に隠されてきた民主主義の真の原理』

のAmazonの書評に以下のような指摘がなされていた。

網羅的且つ建設的 (amazon.co.jp)


2022年11月2日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

素晴らしい力作です。
やや諄く感じるほどの丁寧な説明のため、内容を正しく理解しやすいと思います。


個人的には、第七章に入って、著者の図形を駆使した分析の鮮やかさに感動を覚えました。
一点、不足を感じたのは、飽くまでもリベラルの観点から民主主義の処方箋を開示されており、現行の日本国憲法の精神が金科玉条とされていることです。


国際金融資本を問題視する人々には保守派の人々が多く存在すると思われますが、彼らはこの立場に立つことに抵抗があると思います。

保守派の人々の気持ちを汲む工夫がなされていれば、より多くの支持者を獲得できたのではないでしょうか。

そのための具体的な方策として、国民を大御宝とする皇室の伝統を、個人を尊重する原理として取り上げることができたと思います。
リベラルの人は日本国憲法の精神に則り、保守の人は皇室の伝統を頂いて、等しく「個人の尊重」を実践していく……

そんな絵を描くこともできたと思います。



上記の書評を読み思わず、成るほど、と唸ってしまった。


新刊では、日本国憲法のもつ個人主義(リベラリズム)の側面を純化する形で、

民主社会が抱えている諸問題の解決策を考える理論を展開した。


その理論では、天皇制は「個人の尊厳」という究極の目的を実現するための「手段」に位置付けられることになる。下の図を参照。


日本国憲法では、天皇制に関して1条~8条までが割かれており、憲法における天皇制の占める重要性が表れている。

しかし、憲法の目的はあくまでも「個人の尊厳」であり、根本価値は「人間の尊厳」である。


そのため、憲法の原理を個人主義的な観点からモデル化する場合、

天皇制は国家を統合させる安定化の装置として位置づけられており、

「個人の尊厳」という究極の目的を達成するための「手段」という観点になる。


しかし、上記の書評者の方が指摘された下のような意見が、昨今の日本の保守主義の本流だろう。


国民を大御宝とする皇室の伝統を、個人を尊重する原理として取り上げることができたと思います。
リベラルの人は日本国憲法の精神に則り、保守の人は皇室の伝統を頂いて、等しく「個人の尊重」を実践していく……

そんな絵を描くこともできたと思います。



上記の個人の尊重(尊厳)を重視する保守主義の観点を考慮して、

新刊の憲法の全体像を参考に、天皇制を尊重しながら個人の尊厳を目指す

モデルを作り上げてみよう。


この原理では、根本価値である「人間の尊厳」に「天皇制の尊重」をプラスし、

そこから、幸福追求や善追求及び、目的である個人の尊厳、

手段としての民主主義の法の原理(自由、平等、友愛、真理)が導出される。


こうすれば、天皇制を根本価値としながらも、個人主義を尊重するモデルとなる。


「根本価値」とは、全ての法の原理に関わるものである。

当然、伝統的保守主義の観点からすれば、天皇制を廃止するなどという事は

ありえないことであろう。

そうすると、天皇制の尊重は、根本価値に属することになる。


個人主義の場合は、天皇制は「手段」の位置付けになるので、

国民の合意によれば、天皇制は廃止できるものと考える。


まとめると、現在の憲法の目的である個人の尊厳を追求することを前提にした場合、


・個人主義の観点からの天皇制は、「手段」という位置づけになる。

・伝統的保守主義の観点からの天皇制は、「人間の尊厳」と共に「根本価値」という位置づけになる。


以上で、個人主義の観点からの天皇制の位置づけと、

書評の方の意見にあるような、個人の尊厳を尊重する伝統的保守主義の価値の観点からの違いを表した。


このように違う観点の価値を考えることで、同じ「個人の尊厳」を目的としている場合でも、

個人主義(リベラリズム)と保守伝統主義のあり方の違いをモデル化できた。


このような形で天皇制を尊重する保守主義の方も、

個人の尊厳を目的とすることが出来るのではないか?

という一案である。


このモデルについて詳しく知りたい方はこちらの新刊をお読みください。


<リンク>

『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』の発売が開始


新刊に頂いた書評一覧 


新刊の概要についてお知りになりたい方は下記の動画をご視聴ください。





(記事終了)


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■操作される日米欧の自由民主制(資本主義経済と民主政治)のモデル

 

 

 

・現在の自由民主制の欠陥を克服し、民主主義の完成を目指す理想の社会モデル

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・上記の全体像の詳しい図解の説明はこちら

<リンク>【操作される資本主義経済 図解のまとめ】

<リンク>【操作される議会制民主主義 図解のまとめ】

 

 

■日米欧の自由民主制の隠されてきた仕組みについての詳しい解説は

こちらの本をお読みください。


<リンク>天野統康の本 amazon



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コメント

天皇皇統の在り方が個の尊厳を守る事に繋がる。これについて、以前それっぽいものを書きました。
「大和心とは何か」
http://amazon.co.jp/dp/B08P5FVP9B

そも十七条憲法的に「和」というのが「皆で議論を尽くし、誰にも不平不満を残さないようにする事」、いわば個を尊重する考え方になります。最近は不平不満が「あっても出さない」ようにするような誤用が頻繁に見られますが。

ちなみに現代日本であれば、リバタリアニズムな方が保守主義に則った考えという事になり、日本の伝統や天皇に重きを置く考え方はより復古的なものとなります。
「保守主義の超克」
http://amazon.co.jp/dp/B08P5FF949

No.1 25ヶ月前
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