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円安が続く原因である日銀の量的緩和 その政策の矛盾から見える主流派経済学の理論的欠陥

2022/06/16 10:00 投稿

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輸入価格の商品を上昇させる円安が続いている。

近いうちに1ドル140円~150円になる可能性を指摘する専門家もでてきた。

なぜ円安が止まらない…背景と黒田総裁の思惑は?いつまで続く? | NHK https://www3.nhk.or.jp/.../20220614/k10013670781000.html


上記の記事では日米の金利差の拡大が原因と解説。


それも原因の一つだが、金融経済に資金供給(信用創造)を行う量的緩和そのものが円安圧力を強める。


つまり日銀の量的緩和は、国債などを市場で大規模に購入することにより、国債金利を低くする。

それが国債などに連動する市場の金利を低くするとともに、金融経済向けの信用創造を拡大する。

日銀が国債を購入するという事は無から通貨を作り出すことになるためだ。


その作り出した通貨の大部分は、市中銀行が日銀に設けている日銀当座預金にブタ積みされている。

その当座預金は資産運用として米国債の購入などにも使われるために、円安ドル高圧力を強める。

このように日銀の量的緩和は金利の面からも、量的な面からも円安圧力を強める。

特に米国のFRBが金利を上昇させ、量的にドルを作り出す事をやめたため、

金利差とともに、量的な差(ドルの増加率よりも円の増加率が高い)が生じている。


主流派経済学に依拠する量的緩和は、550兆円も新たに通貨を創造しながら、ほぼ実体経済には効果がなかった。

(日銀が供給している通貨 マネタリーベース残高の推移)



金利と預金量を重視する主流派経済学は、信用創造の向かい先を、実体経済と金融経済に分けて分析しないためだ。

幾ら信用創造したところで、それが金融経済向けに使われるなら実体経済の物価や消費にはほぼ影響を与えないとする理論をモデル化したのがリチャードヴェルナー氏であった。


主流派経済学の欠陥を指摘したリチャード・ヴェルナー氏の理論の正しさが証明された事例だろう。

日銀の行ってきた量的緩和は、金融経済を肥大化させ、実体経済を上向かせなかった。


その矛盾が現在の円安と、悪性のインフレと、消費の低迷に表れている。

ただちに終了し、実体経済向けの信用創造量の拡大と、円安対策に切り替えるべき。



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(記事終了)


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