からの転載です。
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https://ameblo.jp/amanomotoyasu/entry-12410586956.html
(記事開始)
19世紀のロシアの文豪ドストエフスキー(1821~1881)の名著「カラマーゾフの兄弟」。
日本でも何度も増刷と再翻訳が繰り返されており、世界文学の最高傑作と評価する識者も多い。
この名著の中でローマ教会のエリート主義を描いたとして名高い「大審問官」の章の中にフリーメーソンについて書かれた箇所がある。
これが現在の自由民主制の病状を考える上で参考になる考察なので掲載する。
物語の主役はカラマーゾフ家の三人兄弟である。
元兵士の長男のドミトリーは肉体・意志を、知識人の二男のイワンは頭脳・知性を、僧侶である三男のアリョーシャは感情・精神を表す。
感情、知性、意志の統合とバランスが人間の人格の根本問題であり、この作品もそのテーマを取り扱っている。
大審問官の章では二男のイワンが、三男のアリョーシャに向かって自らの作った話を元に語りかける。
中世ローマ教会で異端者の火あぶりをおこなう宗教裁判官である大審問官が地上に現れたキリストに、「何故いまごろ現れた?」と詰問する。
「自己決定の自由を諭すキリストの真の教えでは一般人は救われない。自己決定の自由ではなく、服従を与える我々ローマ教会の教えこそが民衆を救うのだ」
と大審問官はキリストにまくしたてる。
イワンは恐怖政治を行う権威主義的な大審問官を「人類を愛しているからこそ権威主義の権化になっているのだ」と指摘する。
(カラマゾフの兄弟 ドストエーフスキイ / 中山省三郎訳 (角川文庫・上巻)
第五編 Pro et contra 五 大審問官 《下》より転載)http://www013.upp.so-net.ne.jp/hongirai-san/pro/pro4.html
僕はこう断言する――こうした『唯一人者』は、あらゆる運動の指導者のあいだに、今までけっして絶えたことがない。ことによったら、ローマ僧正のあいだにも、この種の唯一人者がなかったとも限らないからなあ。それどころか、こうして執拗(しつよう)に、非常に自己流に人類を愛しているこの呪うべき老人は、同じような『唯一人者的』老人の大群集の形をとって、今も現に存在しているかもしれないのだ、そかもそれはけっして偶然ではなく、ずっと前から秘密を守るために組織された同盟、もしくは秘密結社として存在しているかもしれない、この秘密を不幸ないくじのない人間どもから隠すのは、つまり彼らを幸福にするためなんだ。これは必ず存在する、また存在しなければならないはずだよ、僕はなんだかメーソンの基礎にも、何かこんな秘密に類したものがあるんじゃないか、というような気がする、カトリック教徒がメーソン組合員を憎むわけは、彼らを自分の競争者、つまり、自分の理想の分割者と見るからだ、羊の群れも一つでなくちゃならないし、牧者も一人でなくちゃならないからな……それはそうと、こんな風に僕が自分の思想を弁護していると、どうやらおまえの批評をたたきつけたれてしまった作者のようだね、さあ、こんなことはもうたくさんだよ」
「兄さんは、もしかしたら自分がメーソンかもしれませんね!」と、不意にアリョーシャは口をすべらせた、「兄さんは神を信じていないのですよ(転載終了)
イワンは中世ローマ教会の話をしながらフリーメーソンも同じであることを指摘する。
19世紀から現代まで続く自由民主制を管理してきたフリーメーソン最上層部・ユダヤ系国際銀行権力のことを指摘した内容だ。
※19世紀の段階でドストエフスキーはユダヤ・フリーメーソン問題に気づいていた。日本で唯一翻訳されていないユダヤについて書かれた著作がある。
著書「悲劇と希望」で国際銀行権力の実体を暴露したクリントン元大統領の師匠であるキャロル・キグリー教授もイワンと同じ発想をして
慈悲深き支配者としての国際銀行家の権力を肯定した。
このような考えは、支配者にとって非常に都合のよいものだ。
旧ソ連の独裁者も、中国共産党も、北朝鮮の金王朝も同じような考えで支配体制を肯定するだろう。
このエリート主義の方便に真っ向から反対を唱えているのが20世紀の文学者ジョージ・オーウェルの名著「1984」である。
1984で権力者から拷問を受けた主人公は、何故、我々が強大な権力を求めていると思う?と詰問される。
「一般人は自己決定の自由を恐れるから導く存在が必要なのであなたたちは人民を支配している」
と主人公は大審問官の立場に立った意見を述べる。
しかし、拷問者である権力者はその考えを否定する。
「権力はより巨大な権力を求めるためだ。それが権力の本性であり民衆への慈悲など関係ない」
大審問官の意見も、1984の権力者の意見も権力の本音を表している。
ただし、その権力の本音が道徳的に優れているわけではない。
民主主義とは、主権者である市民が真の権力者になる体制だ。
支配者側のエリート主義に対抗するためにも、市民の側が民主的な価値観の意識化を確立する方法が必要となる。
残念ながらその方法は、意図的に隠されてきた。
放っておいても民衆の側の主権が確立するなどということはありえない。
民主主義を確立し維持し発展させる方法を意識化することが必要になる。
カラマーゾフの兄弟の大審問官の章は、時と場所を超えて存在する「支配者の権威主義と服従する民衆」という普遍的な問題をえぐり出している。
今でも続く支配者側、被支配者側の両方の問題を明らかにしている。
そして今後も人類が抱えていく人格と支配と救済の問題をとらえた名著なのだ。
<転載したリンク先>カラマゾフの兄弟 ドストエーフスキイ / 中山省三郎訳 (角川文庫・上巻)第五編 Pro et contra五 大審問官 《上》
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