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「悪について 中島義道著」を読む その1 フリーメーソンの倫理学の基礎としてのカント倫理学

2018/04/12 01:00 投稿

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  • カント
  • フリーメーソン

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4月7日に行った真の民主社会を創る会の勉強会で会員の方から「お勧めです」と言われ

「悪について 中島義道著 岩波新書」

を頂いた。


18世紀ドイツの哲学者カント理論の研究家である中島義道氏が著したカント倫理学の解説本である。


西側を管理してきた「フリーメーソン最上部ユダヤ系国際銀行権力」の一翼を担うフリーメーソンの基礎的な倫理に

最も重要な影響をカントが与えていると、メーソン自身が述べてきた。


それだけカントの倫理学は、フリーメーソンの理論の土台になっているということだろう。


アメリカ独立革命、フランス革命、世界人権宣言、欧州憲法、日本国憲法などの基本原理となった自由、平等、友愛という思想を広める中核となってきたのがフリーメーソンだ。


近代民主主義はフリーメーソンを中心に作られてきた。


そのため、現代の「操作される民主政治の原理」を理解するうえでも、カントの倫理学を理解することは極めて有効である。





今回頂いた「悪について」が、カントの倫理学と民主主義の原理の関係を考えるうえで大変参考になったので、私なりの解釈を踏まえたうえでご紹介する。


まず、カントの倫理学には人間は欲望と自己愛の化け物であるとする大前提があるという。




(悪について 中島義道著 より転載)


P73

幸福への欲求が道徳的善さへ欲求以上にのし上がることによって、悪が発芽するのだ。

幸福を求めることを断念できれば、悪は発生しないことになる。だがそれはできない。どんな過酷な修行によってもできない。われわれ人間が執拗に幸福を求めるという事実こそが、カント倫理学を支えている。幸福の追求がこれほどまでに強烈であるからこそ、道徳法則はそれに見合うほどの威力をもつ必要があり、ひっきょうその倫理学は厳格主義にならざるをえないのである。



P74

幸福は、ごく自然に道徳的善さと融合するという思想、ただ高まる欲望を抑え、みずからの至らなさを反省し、与えられたものを謙虚になって感謝しさえすれば、誰でもただちに静かで澄みきった心の状態に達することができる、という思想ほどカントをいらだたせるものはない。人間の欲望は、道徳的善さとのそんな低次元の和解によって鎮められるものではないのだ。



P74

実現された行為は、どうにか外形的に道徳的善さに似ているとしても(適法的行為)、その表皮を剥がしてみると自己愛にまみれた汚濁物である、。幸福を追求しつつ道徳的善さを求めるかぎり、われわれはこうした運命を逃れられない。これがカントの見た人間の姿であり、まさにここからカントの考察は始まっている。


(転載終了)



カントは、人間は放っておけば悪い事はしない、という道徳的アナーキズムの否定はもちろん、清貧思想や社会主義思想のように環境さえ整えれば人間性は完成される、という理論を否定した。


人間の欲望と自己愛への欲求はその程度でコントロールされるほど甘くはないのだ、と。


現在の資本主義の極端な富の格差(上位8人が下から35億人の総資産と同じ)と、それを肯定する新自由主義経済学思想の蔓延を見れば、人間の欲望と自己愛の追及には際限がないという人間観は正しい。


そこで、カント倫理学には厳格主義が要求される。


その厳格主義から民主主義の目的である「個人の尊厳の実現」の前提となる「人格の原理」が生まれれてくる。



次回に続く



(記事終了)



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