どうも!Hakaseです!
今回はNPC都市データです。
今後この都市データを活用したシナリオを週刊シェアファンの中で配信する予定です!
今後この都市データを活用したシナリオを週刊シェアファンの中で配信する予定です!
【定型】週刊シェアファンでは、今後も週刊シェアファンは皆さんからのこんなデータがほしい!
こんな情報がほしいというのを汲みながらやっていきますので、
貴重なご意見、ご要望など有りましたら、コメントやTwitterなどでお知らせください。
【定型】この週刊シェアファンは、オリジナルTRPG『Shared†Fantasia』の定期サポートとして刊行されているブロマガです。
※『TRPG』って何?って人はこちらへ→http://sharedfantasia.com/abouttrpg
※『Shared†Fantasia』って何?って人はこちらへ→http://sharedfantasia.com/aboutsf
都市データ
アルーム
属する国
なし 中立都市国家
人口
3万2千人
流通レベル
6
領主
コルビノ・ゲースウィッツ
特徴
セクメト、インナハル、マルトゥーグの国境に存在し、等分にそれらの国に影響を受けながら同時にその交通の重要性ゆえに消極的独立を許された都市国家です。
国としての力は大きいわけではありませんが、一種の緩衝地帯としての役割を担っています。
すぐ近くにマース湖という湖があり、街の重要な水源となっている他、淡水ながら水産資源も得ることができます。
マース湖には中央に島が存在し、その島には崩落した塔がそびえています。
この塔ははるか昔魔術師が築いたものだといわれていますが、その伝説に確証はありません。
塔の地下には広大なダンジョン(迷宮)が広がっており、その奥には今も財宝が存在しているともいわれます。
その伝説ゆえにこの街を訪れる冒険者は多く、彼らは存在するといわれる財宝を目指し、迷宮に潜っていきます。
この冒険者たちが落とす金も、馬鹿にならない収益を街にもたらしています。
この街を取り仕切るのは領主であるコルビノ・ゲースウィッツを中心とする少数の貴族と、街の経済を実質的に動かす商人たちです。
街は商売の活気に溢れるが、その分税は重く、一般市民は常々税を軽くするように陳情しています。
街の中心は元々それぞれの国をつなぐ街道の合流地点であり、そこを囲むように街壁が街を覆っています。
街の中央や、大通り沿いは店舗や商家の本拠地が立ち並び、一大商業区画としてこの街の経済を盛り立てています。
街の中央や、大通り沿いは店舗や商家の本拠地が立ち並び、一大商業区画としてこの街の経済を盛り立てています。
街の東南部には、職人街があり、この街における生産活動を担っています。
基本的に交通の要所であるこの町は物流による商売が主立っていますが、職人たちの腕や規模も決して他の街に引けを取るものではありません。
中央市街を挟み、職人街の反対側、北西に位置するのが高級住宅街です。
ゲースウィッツ家を中心とした領主の一族や、彼らに取り入って財を成した豪商達の邸宅がゆったりと構えられています。
街の中心から見て東北と西の市街は、一般市民の住宅や、農家達の居住区として機能しています。
多くの住民たちがこの区画に居を構え、税を納め、この街での生活を成り立たせるためにケチな生活を送っています。
この街の南西部にある一角はいわゆるスラムと呼ばれる場所です。
この街の南西部にある一角はいわゆるスラムと呼ばれる場所です。
この街の重税に耐え切れなくなったり、犯罪を犯した者が転がり込み、治安は最悪ともいえる吹き溜まりになっています。
スラムにおいては税を取り立てられることもありませんが、それ以上に恐ろしい強盗や物取り、日常茶飯事です。
街の北部、北西部の高級住宅街を除いた湖岸には、多くの桟橋や船が存在しています。
ここでは釣り小屋や漁師の舟屋、倉庫、また主に冒険者を湖上の島へと運ぶ渡守たちが軒を連ねています。
また、ここでは商会や領主の許可を得ずに商売を行っているものをいないか、また勝手に島に渡るものがいないか、湖岸警備隊が目を光らせています。
経済
基本的にこの街の主要産業は交易です。
それぞれの国からやってくる物流の途中休憩地点として、多くの物が売り交わされます。
この近辺ではかなり大きな市場が開かれる場所であり、商人たちが情報と品物を仕入れるには最適な場所の一つです。
また当然交通の要所であることから宿場街の特徴も擁し、多くの歓楽的な店も立ち並びます。
宿のレベルもピンからキリまで揃っており、大概の娯楽はこの街に来れば希望にかなうでしょう。
また前述した迷宮の存在から、冒険者たちも多くこの街を訪れます。
宿の利用、装備の充足、島への渡し賃、預かったまま帰ってこなくなる冒険者の財産、様々なものがこの街にまた財を積み立てます。
それ以前にこの街自身の生産力も決して低いものではありません。
湖は豊かな漁場として相応の漁獲高を誇りますし、街道周辺の森を切り開いて作った畑も街の人々を養う為の収穫をもたらします。
先に述べた通り需要の高さから腕の良い職人たちも集まっており、街として一つ完結しているうえに、さらに交易がこの街の豊かさをもたらしています。
ただ、その豊かさを享受するのは一部の特権階級である貴族や豪商達のみです。
おもい商売税や、領主から取り立てられる租税は、豊かな経済力をもつはずの市民達の財布を締め付けます。
それでも人がこの街に集まり続けるのは、緩衝地帯ゆえの平和と、成功した時(特に商人として)の見返りの多さを求めてのことかもしれません。
しかしこの街とて失敗した人間には冷酷です。
税を払えなくなったり、借金を背負った人間は、身ぐるみをはがされスラムに放逐されます。
借金を抱え、スラムに暮らし、ろくに食うものもも食えず、野垂れ死んでいくものも決して珍しいわけではありません。
そういう意味で、格差は非常に大きな街だといえます。
治安
この街の治安を守っているのは、領主が抱える衛視と、商会が雇う私兵達です。
一応衛視たちは名前こそ公的なもののようですが、商会の私兵とその質はそれほど変わりません。
彼らはこの街の商売や機能がつつがなく回るよう、言い換えれば、領主や商会の利益が損なわれぬよう動いています。
それでも大っぴらな刃傷沙汰や、喧嘩、盗みなどを相応に取り締まる程度の分別は持っています。
ただし、かなりの確率で彼らは賄賂を袖の下に納めますし、法の執行よりも自身の利益を優先しがちです。
門番などもこれらの衛視や私兵が行っており、機嫌が悪ければ特に冒険者などはいちゃもんをつけられ、金品を巻き上げられるかもしれません。
そもそも衛視と私兵の役割分担もやや曖昧であり、主に高級住宅街の近辺を中心に衛視が見回り、門や通常の市街などを私兵が回っています。
これとは別に湖岸警備隊という、衛視と私兵の混合の部隊が、湖への不法な侵入者を警戒しています。
これは湖からの利益、利権を守るためであり、許可された漁師や、渡守以外の者が湖に船を浮かべていれば厳しく罰されます。
これらの治安の外にあるのがスラム街です。
スラムは完全に治外法権となっており、私兵も衛視もスラム街には立ち入ろうとしません。
そこで起こったことはほぼ完全に自己責任の範疇であり、スラムに不用意に立ち入ることは犯罪現場に踏み込むのと同義です。
事件が起こった場所がスラムであれば、衛視も私兵も事件を解決に乗り出すことはないでしょう。
信仰
この街の領主であるゲースウィッツ家はこの街ができた当時より、あまり神々の信仰を重視しませんでした。
表面上は神官たちに恭しい態度をとり、すべての神が崇める場所をゲースウィッツ家が作ると宣言し、万神殿と呼ばれるすべての神々を祭る神殿を作りましたが、実質上はそれ以外の神殿を勝手に作ることを禁じ、活動の制限を行いました。
商売の守り神といわれるルーシードでさえ、この街では他の神と一緒くたにされ、特別視されることはありません。
全ての神官は、万神殿で神に仕えることを要求されるため、その敷地上の事情などから神官を増やすことが難しくなっていますし、大規模な礼拝も交代交代で行わなければならなくなっています。
稀にこの状況に不満を持ち、市街に私的な神殿を建てようと試みる神官もいないではないですが、許可のない神殿は遅かれ早かれ私兵や衛視によって取り壊されてしまうのがおちです。
全ての神官は、万神殿で神に仕えることを要求されるため、その敷地上の事情などから神官を増やすことが難しくなっていますし、大規模な礼拝も交代交代で行わなければならなくなっています。
稀にこの状況に不満を持ち、市街に私的な神殿を建てようと試みる神官もいないではないですが、許可のない神殿は遅かれ早かれ私兵や衛視によって取り壊されてしまうのがおちです。
街概略図
街区分図
赤色 高級住宅地
黄色 商業中央区
水色 一般市街区
緑色 職人街区
灰色 スラム街区
影響力のある組織
マンデルド商会
マンデルド商会
マンデルド商会はアルームにおいて最も力を持つ商会であり、この都市を支配する商会の実質的な頭目集団です。
この都市の運営は領主であるコルビノ・ゲースウィッツの意向を受けたマンデルド商会が、各商会にそれを伝え、動かすことで実質的になされています。
この組織において頭目であるオーウェンの指示は絶対であると同時に、オーウェンはほぼほぼコルビノの意向を叶えるために奔走します。
勿論、マンデルド商会はただのコルビノの走狗ではなく、それを利用して己の財をさらに肥え太らすことに長けています。
マンデルド商会だけに限りませんが、この都市においては暗黙のうちに奴隷や麻薬の取引も行われており、それで大きな利益も得ています。
これに対して反発を覚える市民がいないわけではありませんが、この街の治安を守っているのも彼ら商会の私兵である以上、ほとんどの者は文句を言うことさえできないのが現状です。
アルーム私兵団
マンデルド商会を中心とした各商会(商家)の出資によって成り立っている私兵団です。
その出自は問われませんが、腕っぷしや頭の良さは相応に問われます。
給料も相応によく、街で権勢をふるう私兵団に入りたいと思うものは少なくはありません。
私兵団は商会や領主の不利益になるようなことは基本的に行いません。
どれだけ自分に目先の得があろうとも、最終的にそれらを裏切ったものが物言わぬ死体になるのをほとんどの団員が知っているからです。
とはいえ多少のお目こぼしや、不正がこずかい稼ぎになることもよく知っている中途半端に頭の良い連中はよく賄賂を受け取ります。
私兵団の中には本当にこの街をよくしたいと考える者もいるようですが、団の中では変わり者です。
犯罪組織”頭食い”(ヘッドイーター)
”頭食い”は、古くからこのアルームに根付くならず者集団の系譜であり、その存在当初はただの街の若いギャング集団のようなものでしたが、
時を経るにつれその規模を増し、街のはぐれ者たちがよりどころにする犯罪者のファミリーのようなものになりました。
元々は湖で漁を行う荒くれ者達がその起源であり、その気性は荒く、攻撃的です。
街でなわばりを主張する集団はいくつかありますが、この”頭食い”は一つ抜けた存在です。
というのも、彼らはその非常に攻撃的な性質を隠そうともせず、話し合いに応じず、逆らう相手のグループの頭(リーダー)を狩ってしまうのです。
その恐怖政治色の強いかなり強引な手法にほとんどの犯罪組織はこの”頭食い”の傘下に納まっています。
彼らはその広いなわばり(主に中央商業区)において、ショバ代を徴収し、資金源としているほか、
商人に対しては保護を申し出れば、泥棒行為などからの保護も行っており、一部の商会(マンデルド含む)と協定を結んでいる。
領主であるゲースウィッツ家にとっては非常に厄介な相手ですが、この暗部と正面切って闘うのは彼らにとっても得策ではないようで、渋々その存在を認めているようです。
犯罪組織”地の恩寵”(アースグレイス)
犯罪組織、とは呼ばれるものの、その実”地の恩寵”という集団は反領主的性格を持つ反乱組織のようなものです。
実態上この街の法である領主に逆らう行動をとるため、犯罪組織と呼ばれます。
彼らは彼らの頭目である”白髪鬼”デュエインを中心として、スラム街の相互互助組織のような動きをとります。
スラムにおける様々な脛に傷を持つ人々をデュエインが取り纏め、組織として動かし、ある程度の自警団的な動きも行います。
弱肉強食のスラムにおいて、虐げられる人々が頼れるのはこの組織しかありません。
彼らは義賊的な行動で、金持ちから金を盗み、この街のスラムの住民のためにふるまうこともよく行います。
領主や商会もこの存在については疎ましく思っていますが、場所がスラムという治外法権なだけに、手を出しかねている様子です。
スラム街は、この街の犯罪組織のほとんどがその価値を認めず放棄している場所でもあるため、意外にもこういった組織が体を成し、存続しているのです。
ただ、基本的にこの組織が今のような形をとり続けていられるのは、デュエインを中心とした中枢メンバーが腕に覚えのある人物ばかりであるということが大きいようです。
またこの組織も決してスラム全体を救えているわけではありません。
彼らの活動によって救われるのはあくまでスラムのごく一部の人間だけです。
”地の恩寵”が救い上げるには、スラムの人々はあまりに多く、そしてあまりに無力すぎるのです。
名物・名店
万神殿(パンテオン)
ゲースウィッツ家によって建立された神殿です。
相応の規模の大きな神殿ですが、さすがにこの都市に存在する神官すべてを収容し、神の家とするには難しいものがあります。
それでも壮麗な白大理石によって作られた見目は麗しく、神の威光を示す役割は十分に担っています。
問題は、この都市において神殿がここ一つしか存在しないという一点でしょう。
この万神殿の神殿長はジ・オルグの司祭長が勤め、各神の礼拝は日替わりで行われています。
各々の神の神官の長は、祭司長と呼ばれ、この神殿の運営、この街の宗教的行事にかかわる事柄は神殿長と祭司長の合議にて行われます。
万神殿はここしか神殿がないこともあり、つねに参拝者や相談者でにぎわっており、夜を除けば人の群れがこの神殿から絶えることはありません。
湖水の光亭(グリタリングレイク)
湖水の光亭は、アルームの街における至極標準的な宿屋の一つです。
主に商人向けというよりは、この街の迷宮を目当てに訪れる冒険者向けの宿であり、
多くの大部屋と、グループ用の中規模の部屋を用意して来訪者を迎えています。
冒険者向けのサービスはあらかたやっており、財産の仮預かりから、冒険者に対する依頼の仲介、ある程度の冒険に必要な装備類(流通レベル3までの冒険用道具・日用品と食料品・サービスなど)の販売まで手広くやっています。
宿の主人は頭の前頭部がだいぶ寂しくなり、その分髭で毛を補った中年の男で、ヒアスンといいます。
湖水の光亭は中央商業区画の大通り沿いに面しています。
真ん丸鼠亭(ラウンディマウス)
スラムに店を構える食事屋です。
安くてうまいがキャッチフレーズですが、その食料調達先は謎です。
安酒となんの肉かわからない肉の入ったシチューが名物です。
若干12歳のエミー・ライトという少女が運営しています。
実は地の恩寵の拠点でもあり、この店に手を出そうという命知らずはスラムにはまずいません。
もし万が一この店で騒ぎを起こそうものなら、その辺の客だった人物が一変して屈強な護衛に変わることもあり得ます。
湖島の塔:湖の迷宮
マース湖に浮かぶ島に存在するのが湖島の塔と呼ばれる半分崩壊した搭です。
かつては完全な形を保っていたというこの塔は、その昔は魔術師の所有する塔だったともいわれます。
それがどのような経緯で崩れ去り、現在のような状態になっているかの伝説は諸説あり、どれが正しいともわかりません。
また、その塔の地下にあたる部分にはかなり広大な地下迷宮が広がっています。
この地下迷宮は湖島どころか、地下深く、湖、あるいはこの都市の地下に至るほどに広く張り巡らされているようです。
まずこの地下迷宮があって塔があったのか、塔の持ち主がこの迷宮を作ったのか、その因果関係もわかりません。
ただ、だれが言い出したのか、この地下迷宮には莫大な財宝が眠っており、見つけ出すものを待っているという噂があります。
そうした噂を信じ、一獲千金を夢見た冒険者たちが、今日もこの迷宮に挑み、命を落としていくのです。
人物
コルビノ・ゲースウィッツ(男性、43歳)
この街を支配する領主であり、ゲースウィッツ家の現当主です。
傍目はロマンスグレーの紳士であり、常に温和そうな笑みを浮かべていますが、彼の真実の姿を知るものはそれが単なる仮面だと理解しています。
コルビノは7年前に父レディノスが死んで当主となるその前から、現在のマンデルド商会の会主、オーウェンを手足と使いこの街の実質的な経済支配を進めます。
元々ゲースウィッツ家はこの街を厳しく締め付け、繁栄の上澄みを搾り取っておいしい思いをすることに熱心でしたが、コルビノの代になってからはさらにそれに心を砕き、繁栄も増すとともに締め付けもさらに厳しくなっています。
それだけの権力と財を成して、コルビノが一体何をしようとしているのか、ゲースウィッツ一族の中でも知るものは多くありません。
実は彼はこの独立国家だけに満足せず、さらに領地を広げ、周辺諸国に対抗できる国を作ろうとしているようなのです。
現在は周辺の諸侯との親交を深め、なんらかの工作を試みている様子があります。
彼の野望がどのような軋轢や結果を生むのか、まだ誰にもわかりません。
オーウェン・マンデルド(男性、35歳)
オーウェンはこの街でもっとも大きな力を持つ商会である、マンデルド商会の会主であり、実質的なこの街の商人のトップです。
オーウェンのマンデルド商会はこの地に来たのはここ10年くらいの新顔ですが、圧倒的な商才と、コルビノに取り入ることによってこの地での安住と大きな利権を手にします。
彼は若くして成功を収めた大商人の仲間入りをしたのです。
しかしながらオーウェンは、ともに道を歩むコルビノのとどまることのない権力への渇望に少し恐れをなしています。
オーウェン自身はこの街での成功に非常に満足しており、これ以上の望むべきなのか否か迷っている部分があります。
しかし、結局この街での成功もコルビノの後ろ盾あってのことだということをよく理解しているため、彼がコルビノにNOということはありません。
髪の毛を後ろ手に結び、少し出っ歯で愛嬌のある男であるオーウェンは、コルビノがその野望を諦めないかと期待しつつ、着実な街の拡大と経済の発展を下支えしています。
引き裂き(ティアリング)ボールデン(男性、25歳)
ボールデンは犯罪組織”頭食い”の若頭であり、実質的な組織の実働を仕切る人物でもあります。
後ろになでつけた黒髪に翠の瞳が印象的ですが、こめかみや顎に走った傷がその経歴の激しさを見るものに感じさせます。
現在の”頭食い”のボスであるアドーラは、彼の養父であり、彼は父に忠実です。
しかし、一旦切れると収まりがつかないところがあり、相手をバラバラに引き裂き、頭どころか四肢に至るまで分断するほどの気性の激しさを見せます。
彼の二つ名である”引き裂き”は彼が15の時の入団の際に見せた、敵対組織の頭に対するその凄惨な所行からついたのです。
現在彼は、街のほぼすべての犯罪組織を傘下に収めるべく、様々なところで圧力をかけています。
その中でも特に全く返事の一つもよこさない”地の恩寵”という組織に目をつけているようです。
彼がその寛容さを失ったとき、再びその組織名にふさわしい惨事が起きるのか、組織内でも注目されています。
白髪鬼(ホアデビル)デュエイン(男性、40歳)
真っ白な白髪を奔放に伸ばし、その奥から琥珀色の瞳で他者を見つめる、分厚いコートを羽織った男。それがデュエインです。
その特徴的な風貌から、特にスラムにおいては彼を知らない者はいません。
この十年で組織”地の恩寵”を作り上げ、スラムに一筋の光をもたらしたのは、彼の不断の努力によるものです。
デュエインは短剣の達人であり、常にそのコートの内側に隠し持った短剣で、危機に対応します。
彼は敵も多く、多くの犯罪組織、領主、商会の私兵から目の敵にされています。
しかし彼は一向にそれらを気にした風もなく街をうろつくことでもよく知られています。
それでも彼に積極的に手を出そうとするものはほぼいません。
白髪鬼、それは普段は物静かな彼が、荒事でその実力を示した時に敵方から名づけられた名前なのです。
デュエインは、コルビノと何らかの因縁があるようですが、その詳細を彼が話すことはありません。
エミー・ライト(女性、12歳)
金髪碧眼の彼女はその華奢な見た目に反して、スラムで力強く生きる少女です。
彼女はスラムの食事屋”真ん丸鼠亭”の店主であり、一切を取り仕切っている女主人なのです。
エミーの母親は彼女が物心つくまえに亡くなっており、彼女自身ほとんど記憶がありません。
そして父親が誰なのかも、彼女は知りません。
養母であるメイおばあさんも、彼女の父については語らないからです。
ただ、この”真ん丸鼠亭”とエミーが名づけた店だけが、彼女に父が残したものだと告げられました。
母の顔も知らず、父のこともわからず、それでも彼女は元気に今日も店を開け続けます。
自らの作る料理でスラムの人々の腹を満たすこと、それが今の彼女に与えられた役割だからです。
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