岸井成格氏、田原総一朗氏らテレビで活躍するジャーナリスト5人は24日、東京の日本外国特派員協会で記者会見し、放送法違反があれば放送局の電波停止がありうるとした高市早苗総務相発言に改めて抗議しました。

 出席は両氏のほか、鳥越俊太郎、大谷昭宏、青木理の各氏。

 毎日新聞特別編集委員、TBS「NEWS23」アンカーの岸井氏は、「高市発言は憲法と放送法の精神に真っ向から反する。高市氏がそれを知らなかったとすれば大臣失格、知っていて故意に曲解したのなら言論統制への布石だ」と、発言の撤回を求めました。そのうえで「ジャーナリズムは、政権がおかしな方向に進むときは、チェックし、ブレーキをかけるのが本来の役割だ。それを偏向だというならわれわれは真っ向から対決する」と語りました。

 田原氏はテレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子、「NEWS23」の岸井各氏の3月末降板に触れ、「一種のマスコミの萎縮現象が起きている」と警鐘を鳴らしました。

 鳥越氏は「メディアが権力を監視することは当然だ。高市氏は無知なのか故意なのか、このことと『公正・公平な報道』をあえて混同している」と批判。さらに「メディアが権力を監視するという世界の大勢に反し、いまの日本では権力がメディアを監視するということになっている」と指摘しました。

 高市発言と安倍政権の改憲志向との関連を指摘する発言が続きました。大谷氏は「高市発言の先には憲法を変えたいという自民党政権の狙いがある。一つの番組がおかしいからと電波停止の脅しをかけるなどまさに独裁国家への道だ」と糾弾。青木氏も「憲法が保障する言論・表現の自由に対して、自民党改憲案は『公益』のためなら制限も当然といっている。まさに言論・表現の自由の存否をかけたたたかいだ」と訴えました。