F22・F16など
「沖縄の負担軽減」―。日本政府はそう繰り返し、在沖縄米軍の訓練・部隊の本土移転を進めてきました。しかし、沖縄も本土も一体で強化されているのが真相です。米空軍横田基地(東京都)と嘉手納基地(沖縄県)に相次いで飛来したF22、F16戦闘機の動きから、日本の植民地的な実態を検証します。(竹下岳)20日から22日にかけ、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22が14機、相次いで横田に飛来。25日にはF16戦闘機6機が飛来しました。両機とも米アラスカ州から飛来しており、F22はエレメンドルフ統合基地の第525戦闘飛行隊に所属。F16はイールソン空軍基地で、戦闘訓練で敵役を担う第18アグレッサー(攻撃者)飛行隊です。
宜野湾市長選(24日投開票)の翌日となる25日以降、F22が嘉手納基地に飛来。27日には、F16戦闘機12機が相次いで飛来しました。沖縄防衛局によれば、両機は合計約25機で、2月末まで「即応演習」を行うとしています。
「これだけの規模で外来機が飛来したことはない。どこが負担軽減なのか」。嘉手納基地を抱える嘉手納町の當山(とうやま)宏町長は憤ります。
30日現在、同基地にはF22、F16に加え、米海兵隊岩国基地(山口県)からFA18戦闘攻撃機、AV8B垂直離着陸機が飛来。外来機は約40機に達します。
防衛省は2月7日から28日まで、「負担軽減」のため、F15など嘉手納の常駐機約20機の訓練をグアムに移転すると発表しました。しかし、その隙間を埋めるように、その約2倍もの外来機が飛来したのです。
嘉手納基地周辺はすさまじい爆音に苦しんでいます。同基地を抱える嘉手納町は29日、沖縄防衛局に抗議文を提出。騒音防止協定を守れない外来機の撤退を要求しました。
一方、一時的な立ち寄りとはいえ、横田基地にこれだけの規模の戦闘機が飛来したのはベトナム戦争期の1970年代以来です。
F22とF16は嘉手納への暫定配備の前に、なぜ横田に立ち寄ったのか。「横田基地の撤去を求める西多摩の会」の高橋美枝子代表は、こう指摘します。
「住民を戦闘機に慣れさせようという意図を感じる。基地に隣接する石川島播磨重工はF35戦闘機の修理工場に指定されており、今後、確実に飛来する。朝鮮半島情勢などを想定して、横田基地の能力を確認している点もあるかもしれない」
F22、F16の飛来については、防衛省から関連自治体への事前通告がありませんでした。しかも、中谷元・防衛相は22日の記者会見で、両機種の嘉手納への飛来について、「米側から説明を受けていない」と答えました。何の根拠もなしに「沖縄の負担軽減」だと繰り返していることが露呈しました。
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