会合を設けていただいた枝野幸男・民主党幹事長に心から敬意を表します。とりわけ、冒頭のあいさつにあった「立憲主義・民主主義・法治主義が破壊されたままの状況を放置できない」という認識を完全に共有したいと思います。
どんな政権であっても、国民から負託されているのは憲法に基づいて政治をやることであって、選挙で多数をとれば何をやってもいいということになったら、独裁政治への道に他なりません。これまでの憲法解釈を勝手に踏みにじり、ねじ曲げて、戦争法を強行する。これはまさに「立憲主義・民主主義の破壊」であって、危機的状況だと思います。これを打開することは、さまざまな政策問題とは次元の違う、日本の政治にとって、最優先、最重要の課題だという認識を持っています。
そしてこの危機的状況を打開する力はどこにあるのか。主権者国民の中にこそあるということを、みなさんの話を聞いて改めて確信することができました。
“主権者というのは、選挙で1票投じるときだけが主権者ではない。選ばれた代表者が、主権者の願いとかけ離れた暴走を始めたら、それを止めるために立ち上がるのも主権者として大事な役割なんだ”ということを、みなさんが「民主主義ってなんだ」「これだ」というコールと行動によって示していただいた。それがまたたくまに全国津々浦々、各分野に広がった。そして法が強行された後も終わらずに続いている。素晴らしいことです。ここに立憲主義・民主主義を回復する一番の力があり、未来への希望があると感じています。
志位和夫委員長が呼びかけている「戦争法廃止の国民連合政府」の提案は、立憲主義・民主主義が踏みにじられている危機的状況を主権者・国民の力で打開するためには、この方向しかないのではないかと考えて提案したものです。内容は三つあります。
一つは、戦争法廃止、安倍政権打倒のたたかいを発展させようではないか。二つ目は、戦争法廃止で一致するすべての政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくろうという提案です。戦争法を廃止するためには、衆議院と参議院で廃止に賛同する勢力が多数を占めて、廃止法案を提出し可決させる必要があります。同時にこれだけでは足りません。昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を白紙撤回させることが必要です。この二つの仕事を確実にやるためには、安倍自公政権のままではできません。どうしても国民の手で、新しい政府をつくる必要があります。
長谷部恭男先生(早稲田大学教授)も東京新聞で「最後は政権を変えるしかない」、今回の安保法制を廃止する法案を提出して成立させるだけではだめで、集団的自衛権行使を容認した「『閣議決定』を間違っていたとしてもとに戻してもらわないといけない」と発言されています。
そして三つ目に、「戦争法廃止の国民連合政府」で一致する野党が選挙協力をやろうじゃないか。いまの選挙制度のもとでは、選挙協力をやらなければ、自公政権を打倒することはできません。この提案の方向性がより多くのみなさんに共有していただけるように努力したい。政党間でも誠実かつ真剣な話し合いを続け、いろいろな団体と個人の方々とも胸襟を開いて話し合っていきたいと思います。
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