日歯連の13年分の政治資金収支報告書によると、4月8日と12月18日に各5000万円、計1億円を国政協に献金しています。
国政協の収支報告書によると、日歯連の1億円は、日本医師会の政治団体「日本医師連盟」の2億円には及ばないものの、トヨタ自動車の6440万円を上回る巨額献金です。
日歯連の国政協への献金は、11年が2000万円、12年が3000万円で、自民党が政権復帰後、3倍以上に跳ね上がったことになります。
一方、日歯連は、組織活動費の「諸会費」の名目で、自民党や公明党などの国会議員の政治資金集めのパーティー券を幅広く購入しています。
これによると、安倍首相は、「安倍晋三後援会政経セミナー」のパーティー券を7月から12月まで毎月、20万円ずつ、計120万円分購入してもらっています。
麻生太郎副総理・財務相が率いる麻生派の政治団体「為公会」は、5月1日に4回にわたって計50万円、7月12日に100万円の計150万円分の購入。石破茂地方創生相は、4月15日、「石破茂政経懇話会」あてに100万円の資金提供を受けています。
塩崎恭久厚生労働相は、資金管理団体「二十一世紀問題懇話会」の計5回のセミナーのパーティー券、計46万円分。
このほか、高村正彦自民党副総裁、加藤勝信官房副長官に各80万円、茂木敏充自民党選対委員長70万円、菅義偉官房長官、岸田文雄外相、上川陽子法相に各40万円、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行(元環境相)10万円など、安倍政権中枢への資金提供は1078万円にのぼりました。
日歯連の自民党、政権中枢への献金攻勢のねらいは、歯科医の収入に直結する診療報酬アップです。
実際、13年に日歯連から迂回献金を含め計9500万円の献金を受け取り、同年の参院選で、日歯連の組織内候補として再選をはたした自民党の石井みどり参院議員は、ことし7月30日の参院厚生労働委員会で、来年の診療報酬改定問題で質問しています。
自民党政権のもとで、不当に抑えられてきた診療報酬を抜本的に引き上げることは必要ですが、今回、政治資金規正法違反容疑で逮捕された日歯連の高木幹正前会長が「ロビー活動には政治力が必要」と訴えていたように、カネの力で政治をゆがめようとするのは、問題です。
巨額資金を受け取った自民党の側にも説明責任があります。
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