主張
自民党総裁選再選
国民は安倍政治信任してない
自民党総裁選が告示され、立候補を表明していた野田聖子前総務会長が20人の推薦人を確保できず断念、安倍晋三総裁(首相)が無投票で再選を決めました。与党第1党の総裁選は政権を担当する首相に直結します。マスメディアの世論調査でも内閣不支持が支持を上回り、戦争法案、消費税増税、原発再稼働、沖縄米軍新基地建設など、あらゆる課題で国民の願いに逆らう安倍政治の継続を国民は支持していません。自民党が安倍氏に対立候補も立てられず無投票再選を決めたのは、この党に国民の声を聞く意思も能力もないことを浮き彫りにするものです。
政権の不支持鮮明ななか
自民党の総裁選は国会議員と党員・党友の投票で総裁を選ぶものです。安倍氏に対しては国会議員を中心にした自民党内の七つの派閥がすべて支持を決め、告示前から再選は確実視されていました。野田氏は無派閥などの国会議員を中心に推薦人を集めていましたが、安倍政治に対抗する明確な旗印も立てられず、結局は立候補を断念するしかありませんでした。
戦争法案成立を強行に推し進める安倍政権への支持率は7月から8月にかけての各新聞・放送局の調査で軒並み不支持率が支持率を上回りました。国民の批判が鮮明になるなかで、自民党が対立候補もなく安倍氏の再選を決めたのは、自民党の存在そのものが国民の意思とはかけ離れるものになっていることを示しています。
自民党総裁の任期は3年で、安倍氏が前回総裁に選ばれたのは民主党政権の末期です。国会議員選で多数を占めた安倍氏が、党員選では多数を占めた石破茂氏(現地方創生相)を抑えました。その直後の総選挙で安倍氏は政権に復帰、今回の総裁選は事実上、第2次政権以降の安倍政治にたいする国民の批判に自民党内がどう向き合っているのかが注目されました。
最近の内閣支持率だけでなく、安倍政権がこの3年間進めてきた「経済再生」や消費税増税、戦争法案など、どの問題を見ても国民の批判は明らかです。昨年の総選挙でも自民・公明の与党が多数を占め、政権を継続しましたが、総選挙の投票率は戦後最低の52・7%で、自民党は比例代表選挙では有権者のわずか17%の得票なのに、小選挙区とあわせた議席全体では61%を占めるという、文字通り選挙制度の不公平に助けられた虚構の多数です。にもかかわらず、自民党内から批判が表面化しないというのは、「首相一強」といわれるほど執行部が絶大な力を持つようになった自民党の、国民世論との乖離(かいり)を示すものです。
「結果」を出せば出すほど
安倍氏は総裁選での再選にあたって、「結果を出していくことで責任を果たしていく」などとのべました。しかし、安倍政権が「結果」を出そうとすればするほど、国民と対立を深めるのは明らかです。
安倍政権が今国会で戦争法案とともに成立を目指してきた労働者派遣法改悪案を、自民党などが参院の委員会で採決強行に突き進んだのは、安倍氏が無投票再選を決めてからわずか数時間余りあとです。安倍政権は、戦争法案についても採決を急いでいます。
国民の意に逆らった安倍政治の暴走を許さず、安倍政権そのものを追い詰め打倒していくことが国民にますます求められています。
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