立法事実の崩壊
志位氏は、政府の行き詰まりの内容として3点を指摘しました。
第一は、政府が、戦争法案の根幹部分について整合的な答弁ができなくなっているということです。
集団的自衛権行使の具体例としてパネルまで持ち出して首相があげた「邦人輸送の米艦防護」について「邦人が乗船しているかどうかは絶対的条件ではない」(中谷元・防衛相)と言いだし、「ホルムズ海峡の機雷掃海」に関してもイランの安保政策責任者が封鎖を否定しています(「朝日」27日付)。志位氏は、「首相が集団的自衛権の具体例としたものがことごとく崩れ去っている。立法事実を国民に説明できなくなっています」と語りました。
法案に「歯止め」なし
第二は、戦争法案が自衛隊の軍事行動について「歯止め」を持たないことが、さまざまな分野で明らかになってきたことです。
たとえば、参院段階の審議で明らかになったのは、米軍等への自衛隊の兵たんに関して、非人道的兵器であるクラスター弾、劣化ウラン弾、毒ガス兵器、はては核兵器にいたるまで法律上は運べるということです。
米軍指揮下の自衛隊暴走
第三に、米軍の指揮下での自衛隊の暴走が明らかになったことです。
日本共産党の小池晃副委員長が暴露した統合幕僚監部の内部資料には、米艦防護の「ROE(交戦規定)」策定、「軍軍間の調整所」の設置、法成立を前提とした南スーダンPKO(国連平和維持活動)の行動拡大が記されています。
志位氏は「国会も国民もそっちのけにした許し難い暴走です。戦前は天皇の『大権』――統帥権の名のもとに軍部が暴走しましたが、いまは米軍の『大権』――指揮下で自衛隊が暴走している」と指摘しました。
ここが正念場
そのうえで、志位氏は今後のたたかいの展望について、「若者が沖縄から北海道まで創意あふれる行動に立ち上がり、法曹界・学界が日本の知性と良心を総結集した形で反対の声をあげ、30日には国会を包囲する大行動が計画されています。国民のたたかいは空前の盛り上がりを示しています。ここが正念場です。残る会期1カ月、必ず廃案に追い込むためあらゆる力を尽くしたい」と表明しました。
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