東京電力・福島原発事故後、国民の多数は、原発再稼働にいっかんして反対しており、最近の世論調査でも6割近くが反対を表明している。福島原発事故の原因究明さえ行われないまま、国民多数の民意を真っ向から踏みにじって、川内原発再稼働を強行したことは、断じて許されない。
一、安倍政権が、川内原発周辺の住民にも、自治体にも、まともな説明をすることさえ拒絶したまま再稼働を強行したことも重大である。事故が起きれば深刻な被害が及ぶことが予想される九州3県の5市5町の議会が、住民説明会を開くことを要求しているが、これもまったく無視して再稼働を強行した。住民の声を「聞く耳」さえ持たないという、およそ民主政治とは相いれない政治姿勢である。
一、安倍首相は、「新規制基準に適合した原発の再稼働をすすめる」というが、原子力規制委員会の「新規制基準」は、アメリカ、ヨーロッパの基準よりも劣っており、「世界で最も厳しい水準」という政府の主張が事実に反することは国会で何度も指摘されていることである。田中規制委員長自身、この基準に適合しても「重大事故が起きないとは言えない」と明言しているにもかかわらず、「新規制基準に適合」をもって再稼働をすすめることは、無責任のきわみである。
火山学会が「予知できない」という大規模噴火を九州電力が「数十年前に予知できる」と強弁し政府もこれを追認したこと、医療・介護施設をはじめ住民避難のまともな計画と態勢がとられていないことも重大である。
これらは最悪の「安全神話」の復活であり、到底容認できるものではない。
一、日本中の原発が停止した“原発稼働ゼロ”の期間は700日になろうとしている。原発がなくても電力が足りていることは、この月日が証明している。
ひとたび大事故を起こしたら、その被害が空間的にも時間的にも制限なく広がる「異質の危険」を持つ原発と人類は共存できない。使用済み核燃料の処分方法が存在しないことも、原発の根本的かつ致命的な大問題である。
福島原発事故を経験した日本が今とりくむべきことは、省エネの徹底と再生可能エネルギーの計画的かつ大量の導入に精力的に取り組み、「原発ゼロの日本」を実現することである。ここにこそ、日本社会と経済の持続可能な発展とともに、新しい科学技術と産業をつくりだす道がある。
一、安倍政権は、その暴走によって、自らの墓穴を掘りつつある。民意無視の強権政治は、国民の大きな怒りと批判によって包囲されつつある。原発再稼働、戦争法案、沖縄新基地建設、雇用破壊、TPPなど、あらゆる分野で「民意無視の安倍政治ノー」の運動を大きく前進させ、合流させて、安倍政権打倒の国民的大運動をさらに大きく発展させることを心から呼びかける。日本共産党は、国民のたたかいとしっかりとスクラムをくんでいっそう奮闘する決意である。
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