法律上での「規定は困難」
日本共産党の井上哲士議員は7月30日の参院安保法制特別委員会で、戦争法案による歯止めなき自衛隊海外派兵の危険性について追及しました。
井上 結局、時の政権が海外派兵は「事態に応じて合理的に必要と判断される限度」だと判断すれば、何でもできることになる。
首相 一般に海外派兵は認められない。なぜ、ホルムズ(海峡での機雷掃海)が例外に当たるかといえば、受動的、限定的だからであり、現在はこのホルムズ海峡の対応しか念頭にはない。
井上氏が「総理の頭の中はどうでもいい」と述べ、海外派兵の例外が拡大しない担保が法案のどこにあるかとただしたのに対し、首相は「法律にこれ(武力行使の最小限度)を規定することは困難」だなどと述べました。
条文記述ない“安全な場所”
7月29日の参院安保特。日本共産党の小池晃議員は「(安倍首相は)兵たんについて『自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる場所を実施区域に指定する』といわれた。条文のどこに書いてあるのか」と追及しました。
中谷元・防衛相は首相と同じ答弁で逃げようとしましたが、小池氏のさらなる追及に「法案の記述はない」と認めざるを得なくなりました。政府は法案にないことを、あたかもあるかのように答弁し、自衛隊が「戦闘地域」にまで行って展開する兵たん活動を“安全”とごまかしてきたことがはっきりしました。
核兵器輸送も「排除せず」
この自衛隊の兵たん活動の内容も法案上何でもありです。
非人道兵器のクラスター爆弾や劣化ウラン弾の輸送の可能性をただした井上氏。民主党の白眞勲議員が核兵器輸送について問うと、中谷防衛相は「法文上は排除していない」と述べました(5日の参院安保特)。
核兵器輸送については、安倍首相も7日の衆院予算委員会で民主党の山井和則議員の質問に対し、「政策判断上ありえない」としつつ、「法律上は中谷大臣が答弁した通り」と認めました。
将来のRSM参加否定せず
日本共産党の市田忠義議員は7月27日の参院本会議で、米国がアフガニスタンで治安活動を行う国際部隊「確固たる支援任務」(RSM)に自衛隊の参加を求めてきた場合、政府は拒否できるかと質問しました。
首相は「参加を検討していない」とすると同時に、「法令にしたがって主体的に判断していく」とも述べ、将来的な参加について否定しませんでした。
RSMはアフガン国際治安支援部隊(ISAF)の後継。同部隊は米軍主導の軍事掃討作戦と一体化し、2001年12月から昨年末までの間に3500人もの各国軍戦死者を出しています。
IS掃討作戦参加も可能
民主党の北沢俊美議員は7月27日の参院本会議で、戦争法案成立の場合、米軍らがイラクとシリアで実施している過激組織IS掃討作戦に自衛隊が参加するのかとただしました。
ここでも首相は、「政策判断として、ISに対する軍事作戦を行う有志連合に参加する考えはない」と述べ、法律上は可能だとの認識を示しました。
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