a2582721ac949244d5b7633bce2ed952ad17be64 総工費が2520億円まで膨れ上がった2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場について、下村博文文部科学相は9日、その財源の見通しが立っていないことを国会で初めて認め、ずさんな計画であることが改めて浮き彫りになりました。参院文教科学委員会の新国立競技場の集中審議で、日本共産党の田村智子参院議員の質問に答えたもの。

 新国立は開閉式屋根の設置など大会後の工事費も含めると建設に2708億円以上かかります。田村氏は、文科省が財源と説明する国費の392億円とスポーツ振興基金の取り崩し分125億円など合計626億円は、国立競技場の解体費用にも充てられ、全額が建設工事の財源にならないと指摘。「財源はいくら確保されているのか」とただしました。

 これにたいし、下村文科相は「財源確保の積算根拠を申し上げることはできない」と回答し、その見通しがないことを認めた形となりました。

 これまで文科相は、財源確保について「(競技場の)命名権や民間からの寄付を含め、200億円くらいは集めたい」としていましたが、それだけではとても足りないことも明らかになりました。

 田村氏は、「建設費のほとんどが財源のめどもない。こんな公共事業は前代未聞だ。施工業者と契約すべきではない」と批判しました。

 世論調査でも8割が見直しを求めている新国立の計画は国民から支持されていないと田村氏が迫ると、文科相は「問題は税金投入によって国民の負担が増えること。負担をなくす工夫が必要だ」と答えました。

 田村氏は、「国民の批判を過小に見ている。(日本スポーツ振興センターの)有識者会議が承認したとしても、国民が承認したわけではない。絶対に契約すべきじゃない」と強く求めました。

 同委員会では、この問題で他党からも批判や見直しを求める質問が相次ぎました。