安倍晋三政権が衆院厚生労働委員会で採決をねらう労働者派遣法改悪案について、全国52弁護士会のうち41弁護士会が反対する会長声明や意見書を発表していることが、11日までにわかりました。日本弁護士連合会の調べ(4日現在)によるものです。

 派遣法改悪案について、秋田弁護士会の声明は、与党による一部修正があったものの、「派遣労働の常用代替を可能にし得る等の問題点が何ら解消されていない」と指摘。佐賀県弁護士会の声明は「派遣可能期間を撤廃すれば、直接雇用労働者が『安くて切りやすい』派遣労働者に置き換えられていくことは必至」と強調。和歌山弁護士会の声明は「派遣労働者の常用代替が進めば、雇用の不安定化と低賃金化がもたらされ、現在でも指摘されている、貧困・格差をより拡大・固定化させる危険性が大きい」としています。

 あわせて、「残業代ゼロ」制度などを創設する労働時間法制の規制緩和に反対する声明、意見書を出している弁護士会は21にのぼります。福井弁護士会の声明は「新制度は、長時間過重労働を助長するものであり、労働者の生命及び健康を害する重大な危険をはらんでおり、到底容認できない」としています。

 日弁連は、派遣法改悪、労働時間法制の規制緩和に反対する会長声明を発表しています。