主張
きょう大阪住民投票
市廃止にきっぱり「反対」こそ
橋下徹大阪市長と、その与党の「大阪維新の会」が掲げる「大阪市廃止・分割(大阪都)」構想を許すのか。それとも市民の共同の大きな力ではね返すのか。大阪市民のくらしと自治がかかった「住民投票」はきょう17日が投票日です。
投票で「賛成」票が「反対」票を1票でも上回れば、2017年4月から、「大阪市」は廃止され、これまで政令市として築いてきた財源も、権限も、「大阪府」に吸い上げられ、まともな自治体とはいえない五つの「特別区」が設置されることになります。これを絶対に許すことはできません。
維新の異常な「金権投票」
「維新の会」は、自らの野望実現へ、住民投票告示前には橋下市長が「僕の説明会」と強弁した市主催「説明会」を39回実施したり、40ページだてパンフレットを170万部発行したりするなど市民の税金を投入しました。告示後は「維新の会」として「政党助成金」から4億~5億円も投入し、8ページだて大判パンフレットや連日ビラを全新聞に折り込み、テレビCM、宣伝カー投入、さらに「スパム電話」(橋下市長の声の録音で100万世帯に軒並み電話)まで、前例のない異常な「金権住民投票」を展開してきました。
これにたいして日本共産党と「大阪市をよくする会」をはじめ、市民的な反撃が草の根から展開されてきました。
論戦では、「大阪市をつぶすのか、いかすのか」「くらしをこわすのか、ささえるのか」「ばく大なコスト増か、政令市の財源確保か」という焦点がくっきりと浮かび上がりました。橋下市長は「地域コミュニティーは残す」という詭(き)弁(べん)を繰り返しますが、「大阪市をつぶす」ことは否定できません。また、「くらしをつぶす」という批判に押されて「投票公報」で「税金も公共料金も、もっと下げられる」とうたいましたが、根拠を示せません。そのうえ「『都』になってもすぐにはくらしがよくならない」「大阪が発展するわけではない」といいだすなど、橋下市長らの主張の破綻ぶりは明らかになるばかりです。
市民、団体、政党の共同は画期的な広がりをみせています。
10日には「大阪市をつぶしてはならない」という一点で自民党、民主党、日本共産党の「合同街頭演説」が実現しました。大阪市地域振興会、商店会連盟、医師会、商工連盟など各界の人たちがこぞってつどい、公明党元府議を含め、「維新の会」以外のすべての政党がそろう市民集会も開かれました。各地域で4党と市民の共同行動が展開されています。草の根の取り組みも急速に強まっています。
「オール大阪」の力発揮し
追い込まれた維新は、首相官邸頼みを画策し、維新所属の国会議員・秘書など1000人の全国動員をはかるなど必死です。官邸が橋下氏と「改憲タッグ」を組むため、大阪の自治にかかわる重大問題を政治的取引の道具にすることなど許されません。官邸にすがり、野望を果たそうとする橋下市長と維新に「大阪人の風上にもおけない。大阪の政治を担う資格はない」という批判が上がっています。
住民投票は投票日も「反対」を呼びかける活動は自由にできます。全国注視の住民投票で、「オール大阪」が総力を発揮し、きっぱり「反対」の意思を示すことが重要です。