日本共産党の小池晃議員が13日の参院本会議で行った、医療保険制度改悪案に対する代表質問(要旨)は次の通りです。
国民健康保険制度をめぐっては、所得250万円・4人家族の国保料が年間40万円を超えるなど負担能力を超える保険料が住民生活を脅かし、滞納を理由にした保険証のとりあげや差し押さえが横行しています。全日本民主医療機関連合会の調査では、経済的な理由で病院にかかれず死亡した人が、昨年56人にのぼります。
皆保険が空洞化
国民皆保険制度が空洞化しつつあるという認識はありますか。
国保料の高騰は、1984年度に国保財政の50%だった国庫負担を23%にまで抑制したことが原因です。国保の「基盤強化」というのなら、国庫負担の引き上げが不可欠ではないでしょうか。
本法案により、市町村が国民健康保険料を決める際、都道府県が示す「標準保険料」を参照し、他の市町村と平準化を図ることが求められます。保険料高騰や滞納者の増加、低所得者の受診抑制はいっそう拡大するのではありませんか。
現在、国保財政に対して市町村が3500億円を一般会計から繰り入れています。政府は、3400億円の財政支援を行うとしていますが、市町村による繰り入れ分を補てんするだけで、定率国庫負担を増やさなければ、さらなる保険料高騰は避けられません。結局、保険料の引き上げか医療費抑制かという選択を、市町村に迫っていくことになるのではないでしょうか。
都道府県が策定する「医療費適正化計画」の強化も盛り込まれ、医療給付費の目標総額が明記されます。「地域医療構想」による病床機能の再編・削減とリンクさせて、給付費を抑制する仕組みです。
これは経団連など財界が要求してきた総額管理、「キャップ制」の事実上の導入にほかならないのではありませんか。
本法案には、入院食費の負担増、紹介状なしの大病院受診時の5000円から1万円の定額負担義務化など、患者負担増も盛り込まれています。入院食費は1日600円、ひと月1万8000円もの負担増となり、高額療養費制度による負担軽減の対象にもなりません。受診抑制がいっそう深刻化するのではありませんか。
難病団体が懸念
「患者申し出療養」の導入について日本難病患者団体連合会は、安全性の不確かな治療が横行し、高額の保険外負担が温存されかねないと懸念の声を上げています。この声にどう応えるのでしょうか。
「患者申し出療養」の対象とされる国内未承認抗がん剤の多くは、1カ月あたりの薬剤費が100万円を超えており、新制度を活用できるのは「裕福な患者」に限られる可能性が指摘されています。有効で安全な治療は、速やかに保険適用することに、全力を挙げるべきではありませんか。
安倍政権は「日本再興戦略2014」で、医療・介護などの健康関連分野を「成長市場に変えていく」方針を打ち出し、その一環として「保険外併用療養費制度の大幅拡大」を提言しています。「医療への多様な経営主体の参画」とあわせて国民皆保険に大穴をあけ、土台から掘り崩していくものであり、断じて容認できません。
命と健康守れぬ
財務省は、社会保障の自然増のうち、高齢化に伴う増加である5千億円以上は認めないとしており、削減額は3千億~5千億円となります。小泉政権が行った社会保障削減と同じ「シーリング」ではありませんか。当時の削減額2200億円をはるかに超える改悪を繰り返せば、国民の暮らしも健康も、壊滅的な被害を受けるのではありませんか。国民皆保険とフリーアクセスを崩壊の危機にさらし、公的医療保障を破壊する医療政策では、国民の命も健康も守ることはできません。
国民健康保険制度をめぐっては、所得250万円・4人家族の国保料が年間40万円を超えるなど負担能力を超える保険料が住民生活を脅かし、滞納を理由にした保険証のとりあげや差し押さえが横行しています。全日本民主医療機関連合会の調査では、経済的な理由で病院にかかれず死亡した人が、昨年56人にのぼります。
皆保険が空洞化
国民皆保険制度が空洞化しつつあるという認識はありますか。
国保料の高騰は、1984年度に国保財政の50%だった国庫負担を23%にまで抑制したことが原因です。国保の「基盤強化」というのなら、国庫負担の引き上げが不可欠ではないでしょうか。
本法案により、市町村が国民健康保険料を決める際、都道府県が示す「標準保険料」を参照し、他の市町村と平準化を図ることが求められます。保険料高騰や滞納者の増加、低所得者の受診抑制はいっそう拡大するのではありませんか。
現在、国保財政に対して市町村が3500億円を一般会計から繰り入れています。政府は、3400億円の財政支援を行うとしていますが、市町村による繰り入れ分を補てんするだけで、定率国庫負担を増やさなければ、さらなる保険料高騰は避けられません。結局、保険料の引き上げか医療費抑制かという選択を、市町村に迫っていくことになるのではないでしょうか。
都道府県が策定する「医療費適正化計画」の強化も盛り込まれ、医療給付費の目標総額が明記されます。「地域医療構想」による病床機能の再編・削減とリンクさせて、給付費を抑制する仕組みです。
これは経団連など財界が要求してきた総額管理、「キャップ制」の事実上の導入にほかならないのではありませんか。
本法案には、入院食費の負担増、紹介状なしの大病院受診時の5000円から1万円の定額負担義務化など、患者負担増も盛り込まれています。入院食費は1日600円、ひと月1万8000円もの負担増となり、高額療養費制度による負担軽減の対象にもなりません。受診抑制がいっそう深刻化するのではありませんか。
難病団体が懸念
「患者申し出療養」の導入について日本難病患者団体連合会は、安全性の不確かな治療が横行し、高額の保険外負担が温存されかねないと懸念の声を上げています。この声にどう応えるのでしょうか。
「患者申し出療養」の対象とされる国内未承認抗がん剤の多くは、1カ月あたりの薬剤費が100万円を超えており、新制度を活用できるのは「裕福な患者」に限られる可能性が指摘されています。有効で安全な治療は、速やかに保険適用することに、全力を挙げるべきではありませんか。
安倍政権は「日本再興戦略2014」で、医療・介護などの健康関連分野を「成長市場に変えていく」方針を打ち出し、その一環として「保険外併用療養費制度の大幅拡大」を提言しています。「医療への多様な経営主体の参画」とあわせて国民皆保険に大穴をあけ、土台から掘り崩していくものであり、断じて容認できません。
命と健康守れぬ
財務省は、社会保障の自然増のうち、高齢化に伴う増加である5千億円以上は認めないとしており、削減額は3千億~5千億円となります。小泉政権が行った社会保障削減と同じ「シーリング」ではありませんか。当時の削減額2200億円をはるかに超える改悪を繰り返せば、国民の暮らしも健康も、壊滅的な被害を受けるのではありませんか。国民皆保険とフリーアクセスを崩壊の危機にさらし、公的医療保障を破壊する医療政策では、国民の命も健康も守ることはできません。
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