主張

大阪市「住民投票」

「市廃止・くらし破壊」にノー

 大阪市を廃止し五つの特別区に分割・解体する「大阪都」構想の「協定書」が、大阪の府・市議会で、「維新の会」と公明党により可決・成立させられました。これによって4月27日告示・5月17日投票で、大阪市215万人有権者を対象に「住民投票」が実施されます。126年の歴史をもち、庶民がつくってきた大阪市を、橋下徹市長と「維新の会」の野望によって廃止し、バラバラにすることが許されるはずがありません。日本共産党は、多くの人たちと共同を広げ、住民投票で「大阪市廃止・くらしつぶし」ノーの審判を突きつけるため総力をあげます。

追い込まれる「維新の会」

 「大阪都」構想には、(1)大阪市と24区をなくし(2)くらしをつぶし(3)「1人の指揮官」=府知事でやりたい放題の体制をつくる、という三つの大問題があります。「都」といいますが、「住民投票」の根拠となる「大都市地域特別区設置法」にも、「協定書」にも、「大阪都」の文字はありません。橋下市長は「大阪の大問題を改革する」と主張しますが、「住民投票」で決するのは、大阪市を「廃止・解体」し、五つの「特別区」にすることへの賛否です。投票率がどんなに低くても、賛成が反対を1票でも上回れば、2017年4月から大阪市をなくすとしています。

 本質が明らかになるにつれマスメディアも、「大阪市を廃止し、五つの特別区をつくる大阪都構想」と解説するようになり、世論調査では賛否が拮(きっ)抗(こう)し、「支持政党なし層」では「反対」が「賛成」を上回るなど変化も生まれています。

 大阪市議会では、橋下市長提案の地下鉄・市バス民営化案が再び否決され、カジノを含む統合型リゾート(IR)関連予算など総額約1億3千万円が予算案から減額されました。大阪府の「パワハラ教育長」も世論の批判で辞職に追い込まれました。橋下市長の目玉政策は次々と破たんしています。

 昨年秋に否決されたはずの「協定書」がよみがえったのは、憲法改悪を狙う安倍晋三政権が、そのパートナーと頼む橋下市長の窮地を救うため、創価学会・公明党を動かしたことが背景にあるといわれています。この「ヤミ取引」についても、市民のきびしい批判の声が上がっています。追い詰められているのは橋下市長と「維新の会」です。

 いま大阪では「大阪市廃止・解体を許すな」という一点での共同が歴史的な広がりをみせています。

 日本共産党も加わる「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」共催の府民集会には、区医師会長や「維新政治ノー」を掲げる「府民のちから2015」呼びかけ人、元大阪府小学校長会会長らがゲストスピーチを行い、竹山修身堺市長など府内首長もメッセージを寄せています。

共同の力をさらに広げ

 3月結成の「民意の声」の集会では市議会の自民、共産、民主系3会派幹事長がそろい訴えました。経営者、弁護士、青年たちもそれぞれ独自集会を開くとともに、互いの連携をはかりつつあります。

 「維新」の野望を許さないたたかいは、全国的にも重要な意義をもったたたかいです。いっせい地方選挙での日本共産党躍進で「維新の会」をさらに追い詰めるとともに、5月の住民投票に向け、「オール大阪」のたたかいと共同を広げようではありませんか。