政府 5月中旬の提出狙う

 自民、公明両党は20日、安全保障法制に関する協議会を国会内で開き、米軍のあらゆる戦争を支援する「戦争立法」の骨格を正式な合意文書にまとめました。これを受け、政府は4月中旬をめどに法案作成作業に入り、5月中旬の国会提出を狙います。 (全 文)

 合意文書は、違憲の集団的自衛権行使を容認した「閣議決定」(昨年7月1日)で示していた内容を、6分野・9法制に細分して方向性を提示しました。「平時」から「戦時」、「国際貢献」を口実とする海外派兵にいたるまで、あらゆる段階で、あらゆる場所に自衛隊派兵ができ、切れ目なく米軍を支援する体制を構築するものです。憲法9条の全面的な破壊となります。(表)

 「日本有事」への対処に関する武力攻撃事態法に「新事態」を盛り込んで、集団的自衛権の行使を法制化。他国への武力攻撃についても、政府が「我が国の存立を脅かす」などと判断すれば、先制攻撃への参戦も可能になります。「日本の安全」と無関係の事態でも、派兵恒久法の新設により、補給や輸送などの後方支援、捜索救助を「戦地」で展開することを狙っています。

 国連平和維持活動(PKO)法も改定し、武器使用権限の拡大で、治安維持活動や停戦監視といった強制力のある任務への参加を容認しています。国連が統括しない海外任務も、新たな参加原則を設け道を開きます。

 さらに、米軍の後方支援を行う周辺事態法から、「日本周辺」という地理的制約を全廃しました。集団的自衛権行使や派兵恒久法の要件を満たさない場合でも、「日本の安全に重要な影響を与える事態」とみなして、世界のどこでも米軍支援できる体制を整備。船舶検査活動法からも地理的制約をなくし、多国籍軍の海上阻止活動への参加も可能にします。

 「武力攻撃に至らない侵害」(グレーゾーン事態)では、自国の装備品などを守る自衛隊法95条の「武器等防護」の規定を米軍など他国部隊にも拡大適用し、現場レベルで反撃に加われるよう改定します。「邦人救出」で自衛隊が武器使用し、武装勢力と戦闘を行うことも想定しています。

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