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危険及ぶ認識あったか/首相中東訪問 答弁回避に議場騒然/人質事件 小池氏追及

2015/02/04 11:07 投稿

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 日本共産党の小池晃議員は3日の参院予算委員会で、過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件について、安倍晋三首相の中東訪問(1月16~21日)をはじめとする政府の対応をただしました。

 小池氏は冒頭、湯川遥菜さん、後藤健二さんの家族と関係者に哀悼の意を表明。「イスラム国」の犯行に対しては「残虐で卑劣なテロ行為を怒りを込めて糾弾する」とし、国連安保理決議に沿って国際社会が結束する必要性を訴えました。

 その上で小池氏は、安倍首相がエジプトで「ISIL(イスラム国)とたたかう周辺各国に2億ドル、支援を約束する」と表明した演説(同17日)で、「非軍事の人道支援」と説明していなかったことを指摘。2人の日本人の拘束を昨年から政府が知りながら、「演説で危険が及ぶ認識がなかったのか」と首相をただしました。

 首相は「テロを恐れるあまり脅かしに屈するような態度をとれば新たなリスクが発生してくる」「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない。これは今後も不動の姿勢だ」と断言しました。

 小池氏は、「テロに屈する」ことと「慎重に言葉を選ぶ」ことは違うと指摘。殺害予告が出された後の会見(同20日)で首相が「2億ドル支援」を「人道支援」と説明を変えていることをあげ、重ねて2人の命の認識を追及しました。

 首相は「小池氏の質問はまるでISILを批判してはならないような印象を受ける。それはまさにテロに屈することになる」などと質問に答えず暴言を吐きました。野党理事が委員長席に詰め寄り、議事が止まるなど議場は一時騒然となりました。

 小池氏は、紛争地の取材で命の大切さを伝えてきた後藤さんの言葉も紹介しながら、「テロとのたたかい」で多くの命が奪われてきたことに言及。「『テロに屈しない』の一言で批判や懸念に耳を傾けない姿勢でいいのか。慎重な発言が必要だった」と冷静な検証を求めました。

 さらに小池氏は、2000人以上の犠牲者を出したパレスチナのガザ地区への攻撃で国際的批判を浴びるイスラエルを首相が訪問(同18~20日)し、軍事交流を深めたことを指摘。中東諸国に与える影響をどう考慮していたのかと質問しました。首相は「アラブの国々からむしろ評価いただいている」と正当化しました。

 小池氏は「二度と事件が起こらないよう政府の対応を検証するのが国会の役割であり、それに応じるのが政府の責任だ」と強調しました。

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