衆院予算委
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は30日、衆院予算委員会で質問し、福島第1原発事故避難者の住まいについて「生きる土台である住まいの確保は希望がかなえられるように」と求めました。避難者の声をもとにした具体的な提案に、関係閣僚から「制度上可能」と前向きな答弁もありました。
高橋氏が取り上げたのは、(1)福島県浪江町など帰還困難区域の住民(2)避難解除された川内村、田村市の住民(3)福島県から全都道府県に避難する住民―らの苦境です。
質問で高橋氏は、福島市や桑折町の仮設住宅で浪江町民から直接聞き取った声を紹介。「仮設に住んでみろ。1人だと4畳半一間だぞ」と訴えた女性は南相馬市内の復興公営住宅を希望したものの、受け付けもされていないといいます。
原発被災者向けの復興公営住宅は、県の計画で2016年までに4890戸。ところが現在までに完成したのは5%の261戸にすぎません。
「帰還の見通しが立たない方たちが、希望する公営住宅に入れないことは絶対ないと言っていただきたい」
高橋氏がこう迫ると、竹下亘復興相は「すべてが第1希望に入居するのは難しい面もあるが、おおむね希望する地域への入居は可能になると考えている」と答えました。
次に高橋氏が紹介したのは、「まったく次の住まいが決まっていない」という、郡山市内の仮設住宅に避難する川内村民の訴えです。村は避難解除されましたが病院もなく、生活の足すら整わないため、仮設住宅の期間延長が切実な要望です。
高橋氏は、「見通しを持てるまで期間を延長すべきだ」と要求。県外への避難者が多く入居している「みなし仮設」(民間アパートなどの借り上げ)についても期間延長を求めました。
山谷えり子防災担当相は、「福島県からの延長協議を受けた際には、被災自治体等の状況を確認し適切に対応したい」と答弁しました。
高橋氏は「みなし仮設」について、仮設住宅としての入居期間終了後も低家賃で住み続けられるように、希望に応じて「借り上げ公営住宅」とすることを提案。太田昭宏国土交通相は、「制度的に可能だ。地方公共団体が実情に合わせて判断してほしい」と前向きな姿勢を示しました。
高橋氏は、県外避難者の復興公営住宅への入居が県内に戻った場合に限られる現状を踏まえ、「(みなし仮設の公営住宅化で)県外の方にも、さまざまな可能性が見えてくる」と指摘しました。
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