昨年12月26日には、総選挙で議席を減らし「国会議員5人以上」という政党助成金の受給要件を失った「生活の党」に山本太郎参院議員(無所属)が合流して「生活の党と山本太郎となかまたち」が結成されました。今年に入ると、昨年11月に解党した「みんなの党」の松田公太参院議員らと、「次世代の党」を離党したアントニオ猪木参院議員が合流して「日本を元気にする会」の結党届を提出(8日)。続けて次世代の党の園田博之衆院議員が「太陽の党」に“移籍”(9日)し、助成金の受給要件を取得しました。
目まぐるしく
年末にこうした駆け込みが相次ぐのは、政党助成金の受給資格が、毎年1月1日の時点で「国会議員5人以上」か「国会議員1人以上いて国政選挙の得票率2%以上」という政党要件を満たしているかどうかで決まるからです。1月1日を過ぎても1月16日までに届け出れば、1日の基準日に要件を満たしたと扱われるために、年明けにも駆け込みが続くのです。
みんなの党解党後、松沢成文参院議員は次世代の党に駆け込み、その一方で、アントニオ猪木議員は次世代の党を離党して、元みんなの党の議員らと新党をつくるという目まぐるしさ―。まさに有権者不在で助成金目当てに政党・政治家の離合集散が繰り返されるという、政治の劣化極まれりの状況です。
「恥ずかしい」
太陽の党は、もともと平沼赳夫・次世代の党党首や園田議員が結成した「たちあがれ日本」が党名変更した政党です。昨年、太陽の党の役員となっていた田母神俊雄元航空幕僚長と西村慎吾元衆院議員が11月に急きょ次世代の党に移籍して総選挙に立候補(落選)するなど、両者は実態的には一体です。
太陽の党は、前身のたちあがれ日本が2010年の参院選で2%超の得票をしたことで「受給資格」が残っていましたが、議員が1人もいなくなって助成金を受けられない状態でした。国会議員が入れば助成金が受けられるため、次世代の園田議員が移って助成金を受け取る形を取りましたが、実質的には「次世代」勢力による“二重取り”です。
そんなチャンスが「到来」することを狙って、活動と休眠を繰り返しながら「存続」してきたとすれば、税金を食い物にするものであり、浅ましい限りです。関係者も「なんともお恥ずかしい」とこぼします。
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