主張
総選挙あす投票
景気悪化と格差の政治決別を
総選挙があす投票です。安倍晋三政権は、来年10月の消費税再増税を1年半後に先延ばしし、「アベノミクス解散」と銘打って「景気回復、この道しかない」と主張してきましたが、選挙中にも経済不況の深刻さが改めて浮き彫りになるなど、経済失政の責任が厳しく問われています。「アベノミクス」は、景気悪化と貧困、格差の拡大をもたらしただけです。総選挙での厳しい審判で、消費税再増税は先延ばしではなくきっぱり中止して消費税に頼らない道に進み、「アベノミクス」にストップをかけて「暮らし第一」の経済政策に転換しようではありませんか。
首相の破綻した宣伝
安倍首相は選挙中の街頭演説やテレビなどで「アベノミクス」の成果を宣伝してきましたが、そのほとんどが根拠のないもので、破綻しています。首相が「アベノミクス」で雇用が100万人増えたというのは非正規の不安定な雇用が大半で、正規雇用の労働者はこの夏までの2年間に逆に22万人も減っています。首相が賃金が2%上がったというのも、物価の上昇や消費税の増税で実質はマイナスです。首相も物価上昇分は上がったが、消費税増税分は穴埋めできていないと認めました。
選挙中も不況の深刻さを示す経済指標の発表が相次いでいます。
公示日の2日発表された厚生労働省の「毎月勤労統計調査」は、10月の実質賃金が前年同月にくらべ2・8%減と、昨年7月以来16カ月連続でマイナスになったことを明らかにしました。5日に発表された内閣府の景気動向指数は、10月も景気は「下方への局面変化を示している」と、3カ月連続で悪化を判定しました。
重要なのは7~9月期の国内総生産(GDP)統計で、8日発表された改定値が第1次速報値よりさらに悪化、年率1・9%のマイナスとなったのです。個人消費も持ち直さず、住宅投資も設備投資も、軒並み悪化しました。GDPは4月の消費税増税後2期連続の後退で、「増税不況」はごまかしようがありません。
安倍首相は、消費税再増税を先延ばしし、その間「アベノミクス」を続ければ、企業のもうけが増え、雇用や賃金が改善し、消費も拡大して、2017年4月には消費税が増税できるようになると主張してきました。しかし、大企業や大資産家のもうけはためこみに回るだけで、雇用や賃金の改善に回らないのは明らかです。それなのに、17年4月の再増税は絶対実行すると公言すること自体、国民の暮らしを無視したものです。消費税の再増税は中止、「アベノミクス」はストップするしかありません。
まともな社会取り戻す
選挙戦最終盤、主要国での格差拡大を指摘して話題の、フランスの経済学者ピケティの著作が日本語で出版されました。その分析が注目を集めていますが、貧困と格差拡大は「アベノミクス」のもとでも大問題です。「ワーキングプア」(働く貧困層)はますます増え、株高で富裕層が資産を増やしても貯蓄がない世帯は3割を超えます。
まじめに働く者が報われるまともな社会を取り戻すためにも、景気悪化と貧困、格差拡大の政治との決別が重要です。消費税の再増税や「アベノミクス」をやめさせ、暮らし第一の経済政策をめざす、日本共産党の躍進が不可欠です。