安倍政権は、12月上旬に予定していた医療、介護、年金などの負担増や給付減を盛り込んだ改悪案の公表を総選挙後に先送りしました。しかし、塩崎恭久厚生労働相は「粛々とやる」とのべており、“選挙が終われば大負担増・給付減”の姿勢です。
日本共産党は、消費税に頼らない「別の道」を提案。富裕層と大企業の応分の負担、国民の所得を増やす経済改革で合計40兆円―の財源をつくり、社会保障の切り捨てから拡充へ転換していく道を示しています。
医療では、後期高齢者医療保険料の「特例軽減」を打ち切り、865万人の低所得者に2~10倍の値上げを押し付けます。現役世代の入院給食費の負担(1食260円)も460円に値上げします。
年金はアベノミクスによる物価上昇の影響も含めると、実質年金額が安倍政権発足後、6%も減りました。月10万円の人なら6000円の目減りです。
来年度は物価上昇以下に支給を抑える「マクロ経済スライド」を初めて発動。さらに30年間も年金削減を続けることや支給開始年齢の先延ばしも検討しています。
介護保険では要支援者の訪問・通所介護を自治体に移して削減、特別養護老人ホームも「要介護3」以上しか入れなくなることが決まっています。審議会ではさらに、介護報酬を大幅削減し、特養ホームの「相部屋」入所者から部屋代の徴収が計画されています。
生活保護でも、現在実施している生活扶助費の削減に続き、住宅扶助や冬季加算の削減が計画されています。
一方、低年金者への月額5000円の給付金は増税先送りを口実に先延ばしします。これに伴い他の年金給付金も先延ばしされる見通しで、790万人が影響を受けます。
一方、子育て支援について安倍首相は、「やりくりして予算は確保する」と表明。しかし、現在の整備計画では2017年度に4・6万人分が不足し、「待機児童ゼロ」の公約が達成できない内容です。
《医 療》
▽後期高齢者医療の保険料値上げ
▽入院給食負担値上げ
▽協会けんぽの保険料値上げ
▽市町村国保の都道府県単位化で保険料値上げ、徴収強化
▽紹介状なしで大病院受診の窓口負担引き上げ
《年 金》
▽「マクロ経済スライド」実施。物価下落時にも実施可能に
▽支給開始年齢の先延ばし
▽年金課税の強化
《介 護》
▽介護報酬の削減(財務省は6%削減案)
▽特養老人ホームの相部屋入所者からの居住費徴収
《生活保護》
▽住宅扶助の引き下げ
▽冬季加算の引き下げ