西川公也農水相(衆院栃木2区)が代表を務める「自民党栃木県第二選挙区支部」が、農水相の親族企業2社に事務用品や土産代などとして支出をしていることが問題になっていますが、その一部が国民の税金である政党助成金だったことが本紙の調べでわかりました。
政治資金収支報告書によると、同支部は2010~12年の3年間に、同氏のおいが社長の「新西建材工業」(栃木県さくら市)に事務用品や車リース代などとして計約119万円、同氏の長男が社長の「NA企画」(同)に土産代、お歳暮、スタッドレスタイヤ代などとして計約39万円を支出しています。
自宅敷地内に
西川氏の資金管理団体「幸湖会」も、09年、10年にテレビ代、土産代として計約12万円をNA企画に支出しています。(図参照)
第二選挙区支部は、10~12年に企業・団体献金を計1039万円受け取っている一方、政党助成金を3550万円受け取っています。政党助成金という“血税”を含む政治資金が親族企業に還流していることになります。
実際、第二選挙区支部の政党交付金使途等報告書によると、12年3月29日に新西建材工業へ支出した事務用品代25万4614円は政党助成金でした。
13年にも同支部は1300万円の政党助成金を受け取っていますが、同支部の政党交付金使途等報告書によると、1月31日に事務用品として12万3106円を新西建材工業に、6月27日にタイヤ代として5万2500円をNA企画にそれぞれ支出しています。
第二選挙区支部と幸湖会は、西川氏の自宅と同一敷地内にありますが、支部は月5万円、幸湖会は月2万円の事務所家賃を西川氏に払っています。また、支部は「車リース代」として、西川氏の妻に11、12両年に計44万円を支出しています。
政策秘書兼務
閣僚の資産公開によると、西川氏は、新西建材工業(資本金1000万円)の発行済み株式の10%にあたる20株を所有、取締役を務める西川氏の妻も6株持っています。同じく取締役の実弟は、選挙区支部、幸湖会の会計責任者を兼任しています。
NA企画(同100万円)は会社の「目的」に「釣堀の経営」などを掲げていますが、社長を務める西川氏の長男は、同氏の政策秘書です。西川氏は国会で「秘書の勤務実態はあるのか」と問われましたが、西川氏が提出した「議員秘書兼業届」によると、長男は同社から年180万円の報酬を得ています。
新西建材工業もNA企画も、西川氏の自宅と同じ敷地に事務所があります。
西川氏は国会で親族企業からの物品購入を問われて、「早く安く届くので購入した」などと答えていますが、一連の事実は、自宅と同じ敷地内にある政党支部、資金管理団体、親族企業間で、政党助成金を含めた政治資金を物品購入や事務所家賃という形で還流しているという構図です。