「オール沖縄」代表の県知事、那覇市長を―。日本共産党沖縄県委員会は16日夜、那覇市内で大演説会を開き、沖縄県名護市辺野古(へのこ)への新基地建設断固反対を掲げて沖縄県知事選(30日告示、11月16日投票)に挑むオナガ雄志(たけし)前那覇市長(64)と、同時投票の那覇市長選(11月9日告示)に出馬する城間(しろま)みきこ副市長(63)の必勝を訴えました。志位和夫委員長が演説しました。会場いっぱいの拍手や指笛が響き渡る中、オナガ氏が登壇し、「自分たちで持ってきたわけでもない基地をはさんでやりあってきた。笑っているのは日米両政府だ」と指摘。「県民が輪をつくってしっかりとノーをつきつけ、新基地をつくらせない。その先頭に私をたたせていただきたい。オール沖縄、県民のアイデンティティーで頑張りましょう」と力を込めました。
那覇市議会最大会派「新風会」の金城徹会長、かりゆしグループの平良朝敬(ちょうけい)最高経営責任者(CEO)が連帯あいさつ。県議補選で勝利をめざす比嘉みずき日本共産党那覇市議、10月19日投票の豊見城(とみぐすく)市長選の大城カツナガ候補が紹介されました。
「オール沖縄」の団結が未来開く
演説で志位委員長は、オスプレイ配備撤回、普天間基地閉鎖・撤去、県内移設断念を求めた「建白書」のとりまとめでオナガ氏が大きな役割を果たしてきたとのべ、「『オール沖縄』で団結してこそ、沖縄の未来は開ける―この固い信念で、県民のたたかいの先頭に立ってきたオナガさんこそ、基地のない平和な沖縄という県民の願いを託すことができる最良・最善の候補だと確信します」と訴えました。
そして、迫る県知事選を「日本と沖縄の民主主義が根本から問われる選挙です」とズバリ位置づけ、「二つの審判」―(1)県民の声を一顧だにせず、新基地建設に突き進む安倍政権の暴走を許さない審判(2)公約を裏切って新基地建設に「承認」を与えた現知事に対する退場の審判―を下そうと力強く呼びかけました。
道理なき「基地 押し付け論」
この中で志位委員長は安倍政権と現知事陣営が流す、三つの「基地押し付け論」を指摘し、その道理のなさを厳しく追及しました。
第一は「辺野古移設を受け入れなければ、普天間基地が固定化する」という恫喝(どうかつ)です。
志位委員長は「県内たらいまわし」では基地問題は解決しないことは歴史が証明したとのべるとともに、普天間基地の成り立ちにふれ、「無法に略奪した基地はただちに閉鎖し、返還するのが当たり前です。『辺野古新基地を受け入れなければ、普天間基地が固定化する』というのは、居直り強盗の論理です」と強く批判しました。
第二は「普天間基地の移設は、沖縄の負担軽減となる」というウソとゴマカシです。
「辺野古移設で普天間基地の3分の1の面積になる」というが、2本の滑走路や強襲揚陸艦が接岸できる岸壁を備え、キャンプ・シュワブなどと一体となって5倍の面積を持つ最新鋭巨大基地になることなど、「負担軽減」どころか基地機能の大増強となる実態を示しました。「ウソとゴマカシの『負担軽減』論で、辺野古新基地を押し付けるくわだてを拒否しよう」と訴えました。
第三は、沖縄に海兵隊がいることで「抑止力機能を果たし、日本は平和と安定を手に入れることができる」という理屈です。
志位委員長はベトナム、アフガニスタン、イラク戦争をあげ、沖縄を足場に、世界への「殴り込み」を任務とする「侵略力」こそ海兵隊の正体だとズバリ指摘。戦後69年間、沖縄で起こった数々の痛ましい事件・事故をあげ、「この軍隊が県民に与えてきたのは、『平和』や『安定』ではなく、恐怖と犠牲です」と批判しました。
「三つの『基地押し付け論』のどれをとっても、一かけらの道理もありません。オナガさんの勝利で、卑劣な脅しと、根も葉もないウソで新基地建設を押し付ける勢力へ退場の審判を下そう」と訴えました。
基地に頼らない経済振興こそ
「基地に頼らない産業・経済をめざしてこそ、沖縄の未来を切り開けます」
16日の、那覇市で開かれた大演説会で志位委員長はこう訴え、基地跡地につくられた那覇新都心で雇用が100倍、北谷町のハンビータウンでも20倍になった実例を示しました。「“米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因”とズバリ言い切るオナガさんを押し上げ、沖縄の明るい未来を開こう」と呼びかけました。
演説の最後で訴えたのは、土地取り上げ反対闘争、祖国復帰闘争など「島ぐるみ」のたたかいが日米両政府を動かしてきた沖縄の歴史です。「『島ぐるみ』のたたかいの先頭にたつ、オナガさんが県知事になれば、日米両政府に巨大な衝撃をあたえ、新しい歴史の扉を開きます。『建白書』を旗印に団結を固め、『オール沖縄』の声を総結集し、オナガさんを知事に押し上げ、沖縄の新しい歴史をつくろう」と訴えました。
米海兵隊普天間基地(宜野湾市)を見渡す沖縄国際大に通う学生(20)は、初めて共産党の演説会に参加しました。「もともとは基地に賛成でしたが、大学上空を飛び交うオスプレイの爆音や、宜野湾市民も新基地に反対していることを知り、僕らの世代で基地のない沖縄を見たいと思うようになりました。オナガさんを応援します」