安倍晋三首相を含めた現閣僚19人のうち10人が、「慰安婦」問題で日本軍の関与と強制性を認め謝罪を表明した「河野洋平官房長官談話」(1993年8月4日)の否定・撤回を狙って結成された自民党議員連盟の出身であることがわかりました。安倍内閣が「河野談話の継承」といいながら、「日本が国ぐるみで性奴隷にした、いわれなき中傷が世界で行われている」(安倍首相、3日の衆院予算委員会)と不誠実な二枚舌を繰り返す背景に、議連の行動が深くかかわっています。
同議連は、97年2月に結成された「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(2004年2月に「若手」を削除する名称変更)。「中学歴史教科書に従軍慰安婦の記述が載ることに疑問をもつ戦後世代を中心とした若手議員が集まり」(同会編『歴史教科書への疑問』)、安倍氏が発足時に事務局長、高市早苗氏(現総務相)は幹事長代理、下村博文氏(現文部科学相)は事務局次長に就任し主導しました。
同会は「河野談話」について「確たる根拠もなく『強制性』を先方に求められるままに認めた」と非難。河野氏や石原信雄元官房副長官ら「河野談話」作成の関係者らを会合に呼んで撤回を迫ったり、教科書会社や文科省に対しても日本の過去の侵略戦争、「慰安婦」の教科書記述について詰問・追及するなど、「河野談話」否定派の急先鋒(せんぽう)となってきました。
改造前に閣僚だった稲田朋美、新藤義孝、根本匠、古屋圭司、山本一太各氏も同会に参加。古屋氏は現会長です。12年末の第2次安倍内閣発足後、安倍首相を含め31人が閣僚となっていますが、うち15人が同会で活動してきています。
同会は8月15日の緊急総会で、「朝日」が「慰安婦を強制連行した」という吉田清治氏の証言を取り消したことをもって「河野談話の根拠が揺らいだ」などと再び「河野談話」攻撃を始めています。
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