fb4228175b1a6f7fc0fa3b28164c60a27603a36b日本共産党の志位和夫委員長は9日、国会内で記者会見し、日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定に向けた「中間報告」について、「米国が戦争を引き起こした際に、自衛隊が『地球の裏側』『戦闘地域』までいって支援する。文字通り、地球的規模で自衛隊と米軍が肩を並べて戦争する体制づくりが、文面からはっきりあらわれています」と厳しく批判し、その中止を要求しました。
 
 まず志位委員長は、今回の「中間報告」が、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を「適切に反映する」と明記していることを指摘。「集団的自衛権行使の具体化を、まず日米両政府でガイドライン再改定という形で進めるということが宣言されています。きわめて重大です」と批判しました。

 そのうえで志位氏は、「中間報告」が従来のガイドラインにあった次の「二つの制約」を取り払ったことは重大だと指摘しました。

 第一は、これまであった「周辺事態」という概念をなくし、地理的な制約を取り払ったことです。

 従来のガイドラインは、「日本有事」と「周辺事態」の場合に日米軍事協力を規定していました。ところが、「中間報告」では「周辺事態」という言葉が消えてしまっています。

 志位委員長は「これは、地理的な制約・限界ととられるものを一切排除して、地球的規模で、まさに『地球の裏側』にまでいって、世界中の米国の戦争を日本が支援することになります」と述べました。

 第二は、これまであった「後方地域」という概念をなくし、「戦闘地域」での米軍支援に道を開いていることです。

 従来のガイドラインは、「周辺事態」に際しての自衛隊の米軍への支援は「後方地域支援」に限る――「非戦闘地域」での支援に限るとされてきました。ところが、「中間報告」では、「後方地域」という言葉が消えてしまい、「後方支援」という言葉に置き換わっています。

 志位委員長は「これは、『閣議決定』にあったように、従来の『戦闘地域』といわれた地域までいって、米軍を軍事支援する道を開こうというものです」と語りました。

 志位氏はそのうえで、こうしたきわめて重大な内容を含むガイドライン再改定を日米両政府間の交渉だけで進めるというやり方について、「国会審議もわずかしかやっていない。何ら国内法の土台もない。そういうもとで、米国との協議を先行させ、『海外で戦争する国』づくりのレールを敷くというのは、国民不在、国会不在、民主主議を踏みにじるものです」と厳しく批判。「日本共産党は、ガイドライン再改定にむけた作業をただちに中止することを強く求めます」と表明しました。