主張

60回目の母親大会

女性の願いを束ね、広げて

 「海外で戦争する国」づくりにふみだした安倍晋三政権に、多くの女性たちが、子や孫が戦争に巻き込まれるのではないかと不安を抱き、声をあげ、行動を始めています。こうしたなかで8月2~3日の2日間、神奈川県で第60回日本母親大会(同実行委員会主催)が開かれます。

子どもを戦争に送るな

 インターネットには「武器を持たない国だからこそ世界に信頼されている国。憲法を守り、憲法に守られ、世界が認めてくれている国。そう教わってきた。そのニッポンはどこに向かっているんだろう。うちの息子を海外の戦争なんかに送ってたまるもんか」「私は普通の主婦です。支持する政党もありません。首相官邸前のみなさん、私のココロはみなさんと一緒です! この声も届きますように」などの女性の思いがあふれています。各地の集会、デモにも、じっとしていられないと足を運んでいる子ども連れのたくさんの父母の姿があります。

 共同通信の世論調査(2日配信)では、女性の60%が集団的自衛権行使に、78%が武力行使を伴う集団安全保障参加に反対しています。この声はさらに広がるでしょう。

 第1回日本母親大会は1955年、前年のビキニ環礁でのアメリカの水爆実験という広島、長崎に続く「3度目の被爆」への怒りとたたかいのなか開かれました。二度と子どもたちを戦場に送らないという、やむにやまれぬ思いをもって、子を抱き、おぶって、全国から女性たちが集まりました。

 母親大会は、60回を迎えようとしています。「生命(いのち)を生みだす母親は 生命を育て 生命を守ることをのぞみます」のスローガンを平和憲法に重ねて毎年開催し、女性の願いと草の根からの運動をもちより、憲法を守り、生かすたたかいを広げる国民的運動の一翼として大きな役割をはたしてきました。「母親が変われば社会が変わる」と、女性の要求を阻んでいるものは何かを学び、行動し、国の政治に立ち向かい、政治を動かす力となってきました。

 いま、各地の大会でも、「子ども、夫、恋人を海外の戦場に送らない」「憲法改悪反対、子どもたちに希望ある未来を」など集団的自衛権の行使容認に反対する決議が採択されています。原発問題でも、約13万人が避難生活を強いられている「フクシマの今」を学び「原発はいらない。再稼働するな」の声をさらに広げようと話し合われています。

 集団的自衛権行使、消費税増税、原発再稼働、沖縄の米軍新基地建設などを許さない、戦後最悪の反動政権である安倍政権やめろ、の声と運動は、日本共産党が呼びかけた安倍政権打倒の国民的運動に大きく合流するでしょう。

 戦争か平和かをめぐる戦後最大の歴史的岐路に開かれる第60回大会が、圧倒的女性たちの世論と運動を結集し、新たな運動への一歩となることは間違いありません。

連帯の新たな歩みへ

 母親大会は「ひとりぼっちのお母さんをなくそう」「集まれば元気、話し合えば勇気」を合言葉に願いをもちより、女性の手による女性のための魅力あふれる大会です。若者、子育て中の父母、世代をこえた各分野の女性たちの新たな連帯が大きく広がることを心から期待します。