訓練中に乗組員36人が死亡するなど、重大な事故を繰り返している米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイ(沖縄・普天間基地所属)が19日、山口県から北海道まで、日本列島を縦断しました。日米両政府は全国へのオスプレイの訓練拡大を計画しており、その地ならしが強権的に進められている形です。
オスプレイ2機が同日午前7時30分すぎ、岩国基地(山口県)を相次いで離陸。9時すぎに横田基地(東京都)に着陸しました。この間、岡山県や京都府、埼玉県など地上からの目撃が相次いでいます。
正午前に2機は「給油」後に横田を離陸して、同日午後2時20分ごろ、札幌の陸上自衛隊丘珠(おかだま)駐屯地に着陸しました。同駐屯地で20日に開かれる航空ショーで地上展示され、21日まで駐機する予定です。
東京都と北海道への着陸は初めて。横田基地近くでは基地撤去を求める住民団体などが抗議集会を開き、飛来反対と配備撤回を訴えました。札幌市内では平和・民主団体が抗議デモを行いました。
在沖縄米海兵隊司令部は本紙の質問に、「日米安保条約や日米地位協定に基づき、日本全国どこの基地でもオスプレイの運用を想定している」と回答。「全土基地方式」の安保条約をたてに、全国の空を自由に飛びまわる狙いを明言しました。日本政府も「沖縄の負担軽減」を口実に、全国への訓練拡大を推進しています。
日米両政府は2012年10月の沖縄配備に先立ち、オスプレイの「飛行の安全性」を確認した「日米合意」を交わしましたが、「住宅密集地の上空を避ける」「22時以降の飛行を制限する」とした内容はことごとく破られています。本土への移動の際も「可能な限り水上を飛行する」としていますが、19日は陸地づたいに移動した可能性もあります。
このような横暴ぶりが続けば、住民との矛盾は激化せざるをえません。オスプレイ配備撤回を求めて沖縄と全国との連帯がいよいよ重要になっています。
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