日本共産党原発・エネルギー問題対策委員会責任者の笠井亮氏(衆院議員)が16日、発表した談話「川内原発再稼働の『審査書案』の提出について」は次の通りです。

 1 本日、原子力規制委員会は、九州電力・川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、「新規制基準」に基づく「審査書案」を提出しました。これは、住民の避難計画や火山対策、使用済み核燃料=核のゴミ処理の問題など、多くの課題についてまともな対応もないまま、事実上の再稼働の「合格証明書」を出すものであり断じて認められません。

 2 安倍政権は、「新規制基準」について「世界最高水準」と繰り返しています。しかし、福島第1原発事故は収束どころか事故原因も解明されておらず、「新規制基準」に事故の教訓は反映されていません。しかも、核燃料溶融時の対応設備や格納容器の強度、電源系統の独立性などの重要事項について、EU(欧州連合)の基準で実施されているものすら盛り込まれておらず、「世界最高水準」などとは到底言えないものです。こんな基準を満たしたなどとして川内原発の再稼働を強行し、今後の“ひな型”とすることは決して許されません。

 3 福島第1原発事故は、ひとたび事故が起きたときの被害の深刻さを明らかにしました。いま、川内原発の周辺では多くの住民が不安を感じ、五つの市議会が拙速な再稼働「反対」の意見書をあげるなど、鹿児島県内はもちろん、全国に「反対」の声が急速に広がっています。安倍政権と九州電力は、この世論を重く受けとめ、川内原発の再稼働を直ちに断念すべきです。

 今後、地元の同意などさまざまなプロセスがあり、実際に再稼働を許すかどうかはまさに、これからのたたかいにかかっています。「原発ゼロの日本」は、圧倒的多数の国民の願いです。日本共産党は、全国の皆さんと力をあわせて、川内原発の再稼働を許さず、「原発ゼロの日本」をつくるために全力を尽くします。