安倍政権が「残業代ゼロ」をめざす「新たな労働時間制度」などを導入すると、年収450万円層の労働者で、年間39万円の残業代を失う―。全労連と共同して研究・政策活動をしている労働運動総合研究所(労働総研)がこのほど発表した試算で、収入が大幅に削減することが明らかになりました。
安倍政権は、労働時間規制を外す新制度をめざしており、対象者を「年収1000万円以上」とし、仕事の範囲が明確で、高い職業能力を持つ労働者としています。一方、もう一つの「残業代ゼロ」制度である「裁量労働制」を拡大することで一致しています。
試算結果によると、年収450万円の労働者で、月13・6時間の残業(厚生労働省「毎月勤労統計調査」の一般労働者、平均残業時間)をした場合、年間38万7600円の残業代を失います。月平均で30時間残業した場合では、月7万222円、年間84万2664円の残業代が支払われません。
また政府の産業競争力会議がめざす「新しい労働時間制度」で、対象となる労働者は、年収400万~999万円層で960万人に達すると指摘。このもとで労働時間規制が適用除外されれば、総額5兆1000億円の残業代が労働者から奪われるとしています。
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