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(写真)「集団的自衛権反対」「9条まもれ」と声をあげる人たち=17日、東京・日比谷野外音楽堂

 政府が集団的自衛権行使を容認する閣議決定案を示した17日、東京・日比谷野外音楽堂で「閣議決定で『戦争する国』にするな! 大集会」が開かれました。会場に入りきれない人も含め、5000人(主催者発表)が参加。幼い子どもを抱いた若い母親や、中学生の息子の将来を心配して駆けつけた父親の姿も。「戦争反対! 9条壊すな!」「閣議決定絶対やめろ!」と唱和しました。

 主催は「解釈で憲法9条を壊すな! 実行委員会」。「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」の高田健氏が主催者あいさつしました。

 ゲストスピーチでは翻訳家の池田香代子氏が、「憲法は私たちのなかで生きている。集団的自衛権は、どうねじまげようと行使できない。大きな民主主義のうねりをつくって徹底的に抵抗していきましょう」と訴えました。

 日本弁護士連合会の水地啓子副会長や、立憲デモクラシーの会呼びかけ人で上智大学教授の中野晃一氏らが連帯あいさつしました。

 水地氏は、5月の定期大会で集団的自衛権に反対する決議を採択したと紹介。中野氏は「デモクラシーとは民衆の力だ。国家権力が暴走したとき、主権者が立ち上がって憲法を守らなければならない」と語りました。

 元陸上自衛隊レンジャー隊員の井筒高雄氏が発言。「国民をないがしろにして日本を戦争する国に変える大きなあやまちを許すわけにいかない」と語ると、「そうだ」の声が起こりました。

 日本共産党から志位和夫委員長、山下芳生書記局長はじめ衆参両院議員15人が参加し、志位委員長があいさつ。社民党の吉田忠智党首らがあいさつしました。

 大学生の男性(21)=東京都八王子市=は「解釈改憲なんかを許したら、憲法がないことと一緒になってしまう。絶対反対しないといけない」と語りました。

 集会終了後、参加者は、国会と銀座にむけてデモ行進。衆参両院の議員面会所前で、日本共産党の国会議員らとエール交換しました。

全52単位弁護士会が反対

 全国52のすべての単位弁護士会が解釈による集団的自衛権行使容認に反対する会長声明や意見書をあげていることを17日、東京・日比谷野外音楽堂の集会で水地啓子日弁連副会長が紹介しました。

 大阪弁護士会は「事例を見ると、大国が小国に軍事介入することを正当化する口実として使用されてきた」と、歴史的事実をあげながら、問題点を指摘。

 長野弁護士会は「ひとたび行使が憲法上許されると解釈されれば、事実上無限定に集団的自衛権を認めるに等しい結果を招く」と批判しています。

6・17大集会 志位委員長のあいさつ

 東京・日比谷野外音楽堂で17日に開かれた「閣議決定で『戦争する国』にするな! 6・17大集会~解釈で憲法を壊すな~」での日本共産党の志位和夫委員長のあいさつを紹介します。

米国の戦争のために日本の若者の血を流す―軍国主義復活への暴走にノーを

 みなさん。こんばんは(「こんばんは」の声、拍手)。私は、日本共産党を代表して、熱い連帯のあいさつをおくります。(拍手)

5fd9ca4e296b23fb7ea16c6dfae535c2ecf9e656 この間の国会論戦をつうじて、集団的自衛権の行使とは、日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもない(「そうだ」の声)。アフガニスタン戦争、イラク戦争のような戦争をアメリカが引き起こしたさいに、自衛隊が「戦闘地域」まで行って軍事支援を行う――すなわちアメリカの戦争のために日本の若者の血を流すというのがその正体ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 今年は、自衛隊が創設されて60年になります。この60年間、自衛隊は他国の人をただの一人も殺していないし、ただの一人の戦死者も出していません。これは歴代自民党政権が立派だったからではありません(笑い)。憲法9条のおかげではないでしょうか(「その通り」の声、拍手)。この国のあり方を根底から覆し、「殺し、殺される」、そんな恐ろしい国にしていいのか。みなさん。文字通りの軍国主義復活への暴走に断固ノーの声を突き付けようではありませんか。(大きな拍手)

「限定」でなく「無限定」―憲法破壊のクーデターを許すな

 本日、政府が、与党協議に示した閣議決定案は、日本への武力攻撃がなくても、「国民の権利が根底から覆されるおそれ」があれば、海外での武力行使ができる――集団的自衛権の行使ができると明記されています。

 これをもって「限定的行使」といいますが、「おそれ」があるかどうか、それを判断するのは時の政権ではありませんか(拍手)。となれば、それは、「限定」でなく「無限定」になるではありませんか(拍手)。いったんここに踏み込めば、海外での武力行使は歯止めなく広がることは明らかではありませんか。(拍手)

 このような国のあり方の大転換を、国民の批判に耳を傾けることもなく、国会でのまともな議論もなく、与党だけの密室協議をつうじて、一内閣の閣議決定で強行するなど、憲法破壊のクーデターに等しい暴挙であり、断じて許されるものではありません。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん。日本列島津々浦々から「解釈で“日本の宝”憲法9条を壊すな」の声を広げに広げ、国民の世論と運動で、この憲法破壊の暴挙を必ず打ち破ろうではありませんか。がんばりましょう。(大きな拍手)