日本共産党の志位和夫委員長は13日、国会内で記者会見し、集団的自衛権をめぐる自民、公明の与党協議について、記者団に問われ、次のように答えました。
―安倍政権が閣議決定の根拠として1972年の政府見解を援用しようとしていることをどう思いますか。
志位 1972年の政府見解というのは、「集団的自衛権は行使できない」という法理を示したものです。その政府見解から都合のいいところだけ取り出して、集団的自衛権行使の「根拠」にすることは、烏(カラス)を鷺(サギ)と言いくるめるようなものであって到底、成り立つものではありません。
―公明党が歩み寄りの姿勢を示していることについて、どう思いますか。
志位 今日、政府が(「たたき台」として)両党に提起した内容は、これまでの「自衛権発動の3要件」を改ざんして、「第1要件」として「わが国に対する武力攻撃が発生したこと、または他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある」場合に、武力が行使できるという内容になっています。
これをもって「限定的行使」といっていますが、日本国民の「権利が根底から覆されるおそれがある」かどうかを判定するのは時の政権です。だから、「限定」ではなく、実は「無限定」であり、いったんここに踏み込めば、集団的自衛権を行使し、「海外で戦争する国づくり」への道が歯止めなく広がっていくことになります。これは憲法破壊のクーデターというべきやり方です。
―こうしたやり方は認められないということですか。
志位 「9条のもとでは、集団的自衛権が行使できない」というのは半世紀にわたる政府の見解です。この政府の見解はある日、突然、政府が言い出したのではなく、長年にわたる国会での審議を通じて、形成され、定着してきた見解です。それを自民、公明の与党の密室協議で、わずかな期間に、国民の批判や怒りの声に耳を傾けることなく、国会でのまともな審議をすることなく、変えてしまうというのは絶対に認めるわけにはいきません。
―安倍首相が今国会中に閣議決定を目指すよう改めて指示をだしましたが…。
志位 もともと、安倍首相自身が「期限を区切ってやるものではない」といっていたにもかかわらず、自分の言明すら翻す本当に乱暴きわまるやり方です。絶対に反対です。
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