bcad52ea11567431b5c7dc08ad1b6d6fbafad076 日本航空が、航空機の機体整備で重大不具合が連続しているとして、車の車検にあたる重整備の業務を5日間停止し、安全作業の再点検をしなければならないほどの深刻な事態に陥っていることが30日、わかりました。日本共産党の穀田恵二議員が衆院国土交通委員会で告発し、背景に「大リストラでベテラン整備士の不足がある」と追及しました。

 穀田氏は、日航の羽田航空機整備センター長が出した通達で、「看過できない不具合事象が連続して発生している」「不具合事象は収まらず非常用装備品や耐空性に影響を及ぼす重大不具合へと拡大する傾向となっている」としていることを指摘。また、整備本部長が、社内の説明会で「昨今、さまざまな不具合が連続し、内外に整備に対する信頼が揺らぎ、この状態が止まるのか、われわれも自信が揺らいでいる」と述べていることをとりあげました。

 穀田氏は、「かつてないほどの重大事例がなぜ発生しているのか」と追及。太田昭宏国交相は、「放置すると運航の安全性に影響を及ぼしかねないことから、すみやかに改善が図られる必要がある」と語りました。

 穀田氏は、「見過ごされればエンジン部分にトラブルが起きる事象がある。安全性に影響がないわけではない」と指摘。この背景に、「日航の大リストラで整備士不足、ベテラン整備士が少なくなって、安全意識や技術力も十分に継承されていないことがある」としました。

 そのうえで、「背景には、コスト削減があり、労働環境の変化があることを見て、対処する必要がある」と強調しました。

半年間でミス16件

 日本航空で昨年10月~今年5月、旅客機のエンジンに部品を取り付けずに飛ばすなどの整備ミスが16件起きていたことが30日、わかりました。

 同社や国交省によると、ボーイング777型機で5月8日、右エンジンの逆噴射装置にある「整流板」という部品がないのに整備士が気付きました。3月末の整備で担当者が付け忘れていたことが判明。同機はこの間、約1カ月にわたり、国内線で運航されていました。