アンケートに切実な声
全国で初の原発再稼働が狙われている九州電力川内(せんだい)原発の地元・鹿児島県薩摩川内市では、再稼働に反対する「さよなら原発いのちの会」が市民アンケートに取り組んでいます。26日までに260通の返事があり、その86%が再稼働反対です。市民からは「再稼働やめて」「事故が起きたら逃げられない」など切実な声が寄せられています。(内田達朗)
「いのちの会」は、連休明けから首都圏反原発連合が作成したリーフレット「原発再稼働でほんとうにいいの」2万部とともに、アンケートの配布を開始しました。
主要道路沿いに自民党の現職衆院議員のポスターや看板が目立つ地域。「いのちの会」代表の堀切時子さん(66)は「仕事や家族のつながりなどで原発への批判や不安を口にしにくい空気がありました。表に出せない市民の思いを国、県、市、九州電力に示そうというのが、アンケートの狙いです」と語ります。
アンケートは、再稼働の賛否や福島原発事故のようなことが川内原発でも起きると思うかどうかを聞いています。
アンケートには「川内原発が再稼働して事故が発生したら、とりかえしのつかない大変なことになり、死者も出るかもしれない。再稼働は取りやめるべきである」「原発事故が起きないとは限らない。市民の安全を第一に考えてほしい」「事故が起きれば、米作りができなくなる」など切実な声がつづられています。
堀切さんは「対話のなかでも、“声は上げられないけど、皆さんと思いは一緒”など激励を受けることが多い。たたかいは今が正念場。再稼働を必ず止めるため、頑張りぬきます」と話しています。
日本共産党は、井上勝博市議を中心に、「いのちの会」の取り組みに協力するとともに、6月8日に薩摩川内市で開く「川内原発再稼働を考えるシンポジウム」の成功へ、ビラの配布や対話、宣伝を強めています。「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」が6月13日に開く県庁包囲行動の成功にも力を入れています。
対話のなかでは「避難計画がずさんすぎる。事故があればすぐ近くの人々が犠牲になる。目先のお金にとらわれてはいけない」(40代女性・主婦)「商工会議所が言うシャッター通りの拡大は、10年以上前からの問題。原発に頼るのはやめたほうがいい」(50代男性・サービス業)との声が上がりました。
井上市議は「大飯原発運転差し止めの判決にはアンケートでも反応があり、市民を励ましている。アンケートに示された市民の声を力に、再稼働を止めたい」と話しています。
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