「代替路」根拠なし

ff8316a06e0590b25741110398f27ec5990b6676 西日本高速道路会社が新名神高速道路の建設理由の説明(新名神高速道路の路線概要)を同社のホームページ(HP)から削除したことが8日までに分かりました。日本共産党の穀田恵二衆院議員が問題点を追及していたもので、新名神建設の理由としてあげていた「名神高速道路の渋滞解消」「災害時の代替道路の確保」が根拠とならないことが明らかになった形です。
 
 新名神は小泉内閣時代の2003年、道路公団民営化を前に、名神、京滋バイパス(第2京阪)に次ぐ「3本目はいらない」ことなどを理由に2区間が「抜本的見直し区間」とされ建設が凍結されました。しかし、民主党政権時代の12年4月に「全線整備が必要」だとして凍結が解除され、工事が再開されました。

2区間6820億円

 再開した2区間=▽大津市~京都府城陽市(25・1キロ)▽京都府八幡市~大阪府高槻市(10・7キロ)の総事業費は6820億円にものぼります。

 穀田議員は4月23日の国土交通委員会でHP上の矛盾点をつきました。

 HP(11年当時作成)は「特に今後、10年以内に大規模な改修が不可欠な橋梁(きょうりょう)が(名神に)3橋あり」「この大規模な改修工事を実施した場合、名神高速道路の代替路が確保されていないため、お客さまに多大な影響が発生してしまいます」と、新名神が名神の老朽化対策期間の代替路であるかのように説明していました。

 この説明では3橋梁の大規模改修は21年までに終える必要がありますが、新名神の開通予定は24年3月31日で、開通時点で大規模改修は終了しているはずです。新名神が「代替路」となるという説明は成り立ちません。

 穀田氏は「第2京阪道路の開通後も、渋滞が増加傾向にあります」とした部分についても、渋滞回数が減少している国土交通省作成の資料を示し、凍結解除に根拠がないと追及しました。

国交省認める

 これを受けて、4月25日、国会の穀田議員室を訪れた国交省の徳山日出男道路局長は「(HPの記述は)そこまでして(新名神を)つくりたいのかという感じ。西日本高速にすぐに書き換えるように言った」と述べ、同社に指示したことを明らかにしました。