日本共産党の宮本岳志議員は25日の衆院文部科学委員会で、下村博文文科相が戦前の軍国主義教育の中心に置かれた教育勅語を「中身は至極まっとうなことが書かれている」と美化し、学校教育で使うのも「差し支えない」とした記者会見や同委員会での発言(8日)を追及しました。
宮本氏の質問に下村氏は、勅語の12項目の「徳目」は「いまでも十分通用する」などと居直りました。
これに対し宮本氏は、勅語の公式解説書『勅語衍義(えんぎ)』で「教育の基本は、臣民が天皇に忠孝を尽くし、心を一つにすることにある」としていることを示し、「父母に孝に」などの「徳目」は家族内で戦争に備えるよう教育したものだと指摘。1948年の衆院本会議で全会一致で可決した教育勅語「排除」決議を認めるかと迫ると、下村氏は「有効だ」と認めました。
宮本氏はさらに、歴代の文相や首相も「新憲法の精神に合致しがたい」(森戸辰男文相)、「当然否定すべきもの」(森喜朗首相=いずれも当時)と答弁し、安倍晋三首相も官房長官当時、「教育勅語を教育の唯一の根本とする考え」は戦後改められたと認めていたことを示し、異常な発言を撤回すべきだと迫りました。
下村氏は「全てとは言っていない。まっとうなものもある」と述べ、発言を事実上訂正しました。
宮本氏は「教育委員会の独立を奪ってまで狙っているのは、安倍流『愛国心』教育の押し付けにほかならない。ゆがんだ教育を子どもたちに押し付けることは許されない」と強調しました。